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まだ君に夏を返せていない  作者: 夏凜


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9/11

絶望の光

うそっ、うそっ、嘘嘘嘘嘘嘘!!!!!!

なんで?

なんでよぉ

もぉ…なんでなの…


布団の中で泣き叫んだ


両親の喧嘩の時も

父親がいなくなったときも

声を殺して泣いていたのに

止まらなかった



それでも朝は訪れる

学校に行かない選択はない。


母親がなぜかそこだけはうるさかった

学校を休むとめんどくさいことになるのを知ってる

だから何があっても登校するしかない



いつもと変わらない教室

いつもと変わらないうるささ

いつもと変わらず友香は友達と楽しそうに騒いでる


うるさい…

うるさい、うるさい、うるさい!

ひどい頭痛がする


「おーい、朝のHR始めるぞー早く席につけよー!」


そう言いながら担任が入ってきた

ガヤガヤまだ少し騒がしい中

誰かの気配がして顔を上げると目の前に担任がいた


「なんだ里原、顔色悪いぞ?体調悪いのか?保健室いったほうがいいんじゃないか?いや、まだ朝だから帰るか??」


「帰れません。保健室で少し休ませてください」


「1人で行けるか?」


はい。


そう返事をして教室を出た。

保健室で軽く説明してそのままベッドに倒れ込む


ひどい頭痛

心臓も痛い

苦しい


ベッドの上で丸くなりながら目をぎゅっとつぶる


「里原さん?湯たんぽ作ったから使ってね。」


保健室の先生が湯たんぽを布団の中に入れてくれた。

それを抱き抱えると

じんわりお腹のあたりから温まってくる


しばらくそうしていると

だんだん体の力が抜けていつのまにか眠っていた



ありがとうございました。

その日は結局午前中を保健室で過ごして

午後の授業だけ出て帰った。



毎日学校に行って、帰る。

そんな日々を送っていたけれど

秋も深まった頃、進路担当の先生に呼ばれた。


「内定決まったぞ!よかったな!!」


「ありがとうございます」


「もっと喜んだらどうだ?面接練習も何度も頑張ってたし、努力が実ったんだぞ!!」


「…ありがとうございます」


正直どうでもよかった。

面接練習も先生に呼ばれるからやっただけ。


でも少し…ホッとした。



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