海鳴りの声
夏がもうすぐ終わる。
今年の夏は本当だったら健と旅行に行って楽しい思い出ができてたはずだ
防波堤に座りながら海を眺めていると
ぽたっ…ぽたっ…
涙がこぼれ落ちてきた
なんでよ…
旅行に行こうっていったじゃん
嘘つき。
「お嬢ちゃん?もう暗いから早く帰った方がいいよ。この辺は街灯が少ないから女の子の1人歩きは危ないよ?」
いつの間にか辺は暗くなっていた。
ぶるっ
半袖の両腕をさすると冷たくなっている
夜はもう涼しくて秋の訪れを感じた
とぼとぼと歩いていると
聞いたことのある楽しそうな声がキャッキャと聞こえてそちらの方に向かった
?!
友香と健がなんで一緒にいるの…?
心臓が張り裂けそう
「たけ…る?な…んで…」
そう声に出したと同時にカバンを落としてしまった
友香と健の視線がこちらに向いた
「あっ!めいー!!何してるのー?今帰り?おそくなーい??」
「なん…で…?」
健は黙ったまま
「っっ、なんでっ??」
今にも泣きそうな声で聞く私に健は答えない
「あれっ?めいに言ってなかった??私とたけるくんは、付き合うことにしましたー!!あれから毎日健くんのところに行ってたんだー。めいはその間何してたの??ぼーっとしてただけでしょ??」
「ねぇ、ねぇ健ほんとう?」
無言の健を見て逃げるように走り出した。
なーんてね。
ボソッと言った友香の声は風の音にかき消された




