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まだ君に夏を返せていない  作者: 夏凜


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7/11

変化

春になりまたひとつ学年が上がった

高3になると周りでは進路の話をする人が多くなった。


「また同じクラスだね〜よろしくねっ」

久しぶりに友香が話しかけてくる


「めいは進路決めた??」


「…まだ」


「早く考えないとヤバいんじゃない??私は決めたよっ」



「もぉ〜!どこにしたの?くらい聞いてよぉ、めいったらクールなんだからっ♡」


「どこにしたの」


「ふふっ、私ねトリマーになろうと思って!わんちゃんって可愛いでしょ?可愛い×可愛いは最強でしょっ?だからトリマーの専門学校にするんだぁ」


「そうなんだ」


「えーん、めいちゃったら冷たーい!全然興味ないじゃんっ!」


興味なんてない。

はやくどっかにいってくれないかな。


そう思ってると、ともかー!いこー!とクラスメイトが遠くから声をかけていた


はぁ。

ゆっくり息を吐き出した


進路…かぁ。


進学するお金なんてない

就職しかない


そう思いつつ何もやる気になれない日々を過ごしていたら

いつまで経っても進路を決めない私に痺れを切らした進路担当の先生に呼び止められた



「里原、放課後ちょっと進路指導室寄れる?」


はい。


放課後になって進路指導室へいくと

担当の先生と担任がいた


「里原は就職希望だったよな?」


はい


「学校求人みたか??良いところ、気になる会社は見つかったか??」


いいえ


「そうか…。ちょっとコレを見てくれ」


1枚の求人票を渡された。


「里原にいいんじゃないかと思って。確か簿記の資格もってたよな?前に学校で受けたやつ。どうだ?」



「ここなら里原も通勤しやすいし、経理だから机上の仕事にはなるけど、あまり人数も多くないし良いと思うんだよな」


はい


「ここで進めてみるか?」



「何か気になるところある?」


いいえ


「そうか、じゃあこの会社に連絡取ってみるから!このまま進めていいか?」


はい


「よし、この先のことが決まったらまた声をかけるから、それまでにエントリーシートとかを書いておいて!書き方わからなかったそこにいる補佐の事務員さんに声かけてくれればいいから!」


「はい。ありがとうございます。お願いします。」


「ようやくこっち見て話したな笑」



「ずっと心ここにあらずだったから。色々悩むこともあると思うけど将来を決める大事な時期だ。困ったことがあったら相談しろ。話すだけでも頭が整理されたり心がすっきりすることもあるからな!」


そう言って進路指導の先生は笑った

担任はずっと隣で頷いているだけだった。

何しにきたんだろ


「ありがとうございます。さようなら」


挨拶をして出た


何もしたくない

それが本音

働かないといけない

それは現実


生きるってなんだろう

楽しいことなんて何もない

つまんないだけ


そんなことを思いながらまた海を眺めていた。



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