2/11
距離感
「めい、またぼーっとしてる」
鈴木 友香がストローをくわえながら笑った。
放課後のファストフード店。
店内はたくさんの学生で賑わっていて
ガヤガヤとうるさい。
友香はクラスでも人気者
明るくて、誰とでも話せるからいつも誰かと一緒にいる。
めいとは中学から一緒だけど話すようになったのはつい最近だった。
急に話しかけられるようになって
そのまま流れるように放課後過ごすようになった。
「ねぇ聞いてる? 田辺くんがさ、勝浦くんのこと“あいつはあぁ見えて優男”って言ってたよぉ!」
「へぇ」
「めい興味なさそうだねぇ」
「ない」
そう言いながら、ふいに窓の外を見た。
そこには偶然、健の姿があって
田辺 誠と並んで歩いている。
誠は人懐っこい笑顔で何か話し、健は面倒そうに返していた。
その様子を見て、めいはなぜか視線を逸らせなかった。
友香がニヤリとする。
「ねぇ、めいめっちゃ見てるしー、好きなんじゃん」
「違う」
即答だったけど
その声は消えそうなほど小さかった。
「え〜?勝浦くんってなんかいつも気怠げだけど顔整ってるし優男っていうしぃ、いいじゃん♡」
「…」
「めいは素直じゃないなぁ〜。素直じゃない子は可愛くないぞっ」
放っといて。声にならない言葉を呟いた




