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当然、佐久間の頭の中には退避など微塵もなかった要救護者を探し救助する避難してくる者を受け入れるそれで事足りると思っていた、後に責任問題に発展しても罪に問われる事はないだろうこの様な事態がこの高千穂に到来するなど誰が考えようか。
佐久間は晶の連絡を受け職員と共に役場へ行き町内放送をした。
「高千穂町民の皆様、現在高千穂には危険が迫っています高千穂町内から速やかに避難してください、車のある方は西へ逃げて下さい絶対に延岡方向には向かわないで下さい、移動手段のない方は家の前でお待ち下さい順次お迎えに伺います尚、荷物は1個までにして下さい、繰り返します……… 」
晶が5台目のバスをピックアップした時だった上空を一機のF-15が黒煙をあげながら高千穂上空に降下して来た、姿勢は制御されている未だパイロットは搭乗しているのだ市街地への墜落は避けたいと最後まで機と運命を共にする気なのだろうしかし晶にはそれに対して何もする事は出来ない、であれば今自分のできる事を全うしようと高校へ向かった前方の山陰から爆発音と立ち登る黒煙が見え晶は黙礼をすると佐久間に連絡を入れた佐久間の方でも確認出来たのか自分が墜落地点へ向かうと連絡が返ってきた、避難所には先ず加藤のバスが到着すると定員以上を乗せ職員に運転を任せ高校を出て行った、続いて続々とバスが高校へ到着すると同じ手順でバスを送り出した、4台目は残りの町民を乗せ5台目を待ち出発する手筈、後は空になった5台目で高千穂へ残る町民をピックするのだがそれは困難を極める事態に陥る。
高千穂の南東の山、その稜線に禍々しい巨大な蛮族を想像させる頭が見えたのだ髪の毛は逆立っているのかはたまた冠を被っているのか誰しもが息を呑んだ、特救、自衛隊員すら同じだった、しかしあまりにも現実離れした光景に何処かSF映画を観るようで現実感はそこに存在しなかった、山陰で見えていなかった晶と佐久間に五十嵐から連絡が入ると2人は無言でその方向を見た、バックミラーに写るそれを見た晶の脳内ではそれが何かのキーワードだったかの様に激しいフラッシュバックが駆け巡り庄崎が消した筈の記憶が鮮明に蘇った。
「富士にいたヤツ⋯」




