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高千穂での救助作業は順調と言えば順調であった新田原からも高千穂へ向かうと連絡が入り気付けば白み出す時間帯になっていた晶は校庭の端に立ち眼下の高千穂を見つめていた、左手からUH-60JAの機影が見えれば我々は引継ぐと阿蘇に戻りその後は熊本か大分か、その後は、晶はそこで考えるのを止めたこの規模の災害だ1年は自宅のベッドで眠る事は無理であろう、晶は不謹慎にも大きく伸びをすると大あくびをした、すると九州山地の稜線にローターに朝日を受け向かってくるものが見えたUH-60JAだった、そしてその更に上空を尋常でない速度で追い越してゆく機影が現れると一瞬で高千穂中に響く轟音を引き連れ晶の前で急旋回、再び晶の前に戻ってくるとホバリングするそれは新田原基地のF-35Bだった、パイロットがヘルメットの耳の辺りを叩くと大きく指を立て何かを訴えていた晶は空自の航空無線UHF帯で指が示す数字に合わせた。
「⋯すぐそこを放棄しろっ!巨大な何かが高千穂を目指している、これから迎撃に向かうが期待するな、アウト」
そう言うとF-35Bは横滑りしながら徐々に加速すると南東へ消えていった、晶は何を言ってるのだとその場へ立ちすくしているとその間にもUH-60JAは5機編隊で高千穂上空へ進入してくるとローターの風切音が聞こえてきた、すると佐久間が背後からやってきて声を掛けてきた。
「なんでF35が?」
「さぁここを放棄しろって言ってたけど」
「意味がわからんな、他には?」
「さぁ巨大な何かが⋯」
晶はそこまで言うと背中に悪寒が走った、晶は疲れで発熱でもしたかと両肩を抱いた。
「大丈夫か?新田原から援軍も来たし俺らも少し休もう、それから何処へ行くのか指示待ちだ」
「そうだね特に五十嵐は相当疲れてるだろうから」
一機のUH-60JAがローター機の隣へランディングした、途端に中から自衛隊員が出てくると血相を変えて避難所へ入って行った、するとパイロットがヘルメットをしたままこちらに駆け寄ってくるヘルメットからはケーブルが垂れカチャカチャと音を立てて晶達の前に立つと息を切らしながら言った。
「良かった⋯無線がジャミングされて⋯連絡の取りようがなかった⋯急ぎここを放棄して下さい」
興奮してるのか息を切らしパイロットは言った。
「あのF35のパイロットも同じ事言ってたけど何があったの?」
「落ち着いて聞いてください、今ここ高千穂を目指して巨大な何かが⋯何かが迫っています今すぐにこのヘリで住民を避難させましょう」
「何なのその巨大な何かって意味が分からないんだけど」
「説明できれば苦労しません、突如、延岡の沖合に現れると延岡市を破壊しながらこちらに向かっているんです」
説明を受けても2人は首を傾げるだけであったがこの切迫したパイロットの様子からとりあえず避難民の移送を急ぐ事にした、救護所に運ばれた患者はローター機に乗せお年寄りはヘリ、そして搭乗できない市民は自衛隊と特救が随伴して車両で高千穂から離れる事にした、すると南東側の方から爆発音と戦闘機の飛び交う音が届いてきた何事だろうかと数人が其方に目をやると突然の地鳴、ただ普通の地鳴りではないそれは一定間隔でドン、ドンと大地を揺らした稜線の向こうには飛び交う戦闘機の機影がようやく見えてきた、するとその中の一機が突然火をあげ爆発した一瞬の事で間に合わなかったのかパイロットが脱出した形跡はなかった、流石に避難する市民もそれに気付くと軽く騒然とした。
「何名ほど乗れないんだ?」
佐久間が言うと誰からともなく『150名程です』と声が聞こえた。
「車両はどの程度集めれる?」
「町の送迎バス集めても150名は無理です」
役場の職員が答えると佐久間は外部スピーカーで町民へ呼び掛けた。
「現在こちらに車両で来られた方はここに集まってください」
佐久間は続けて特救メンバーに指示を出した。
「職員の方に付いてバスをここに持ってくるんだ、なる早でな」
「了っ」
バスは町内に5台あると言う事で佐久間を残し5人で職員の運転する軽トラの荷台に乗った、軽トラは先ずキーが必要で役場へ向かいそれから町内各所にあるコミュニティバスをピックアップして回った途中、タクシー会社もあり車両の借上を頼み高校へ向かってもらった町内4ヶ所からバスは高校へ向かう最後の5ヶ所目には晶が向かった、晶は佐久間に連絡を入れた町内には未だ人がいると、地震が収まり特に避難の必要のない者達は当然そのまま家にいるのだ日にちが経てば水や食料を求め避難所へ集まりもするだろうが未だ地震発生から1日も経っていないのだ。




