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ゲートには隊員が2名、ゲート横の管理事務所には更に4名、ゲートが開き車両が1台出て行った、これを見た晶は映画の様に車両の下に潜り込み中へ進入する方法が一瞬脳内をよぎったがそれを子供にさせるのかと軽く鼻で笑うと考えを打ち消した、その姿を下から見上げていた雪音は呆れた様に軽く頭を振り晶の手を引っ張り言った。
「お姉ちゃん、ウチの服頼むで、ええとこで呼んでくれたら出てくるさかい、ほな」
するとゾクっとする悪寒と共に横にいたはずの雪音は服を残し忽然と消えた、昭和の特撮映画を彷彿させる状況に晶は手で口を押さえ辺りをキョロキョロ見渡したが雪音の姿は何処にもなかった、霞ヶ関からここまで幻覚を見ていたのだろうか、だが手には温もりはないが見慣れた服が握られていた晶は辺りを探しながらあの部屋にいた面々を思い返した多分、兄の薫以外まともな人間はいない、もしかすると身内可愛さで目が曇り兄も既にまともではないのかも知れない晶は雪音をあっさり諦めると服を乱雑に丸めカバンへ入れると何もなかった様にゲートを通過した。
時刻は21時をまわり官舎の人影は薄かった晶はとりあえず自動販売機でジュースを購入すると誰もいない食堂へ向かった食堂の電気は最低限に抑えられ6人掛けのテーブルをひとつだけ照らしており晶はそこへ座ると思い切り手足を伸ばし大あくびをひとつ、缶の飲み口を袖で軽く拭きプルタブを引き上げると炭酸ガスが勢いよく漏れ出した。
「お姉ちゃん、いけずやわぁウチの分も買うてや」
何処からともなく雪音の声がした、暗闇の中から、いやその声は隣の椅子へ置いたカバンの中から聞こえた晶は慌ててカバンを探るが雪音の姿があるはずもなく大きなため息をついた。
「メンタルやられてるなぁ⋯」
「アホ!ウチの服外に出してやカバンぶち破るで」
晶は椅子から転げ落ちそうになりながら慌てて服をカバンから取り出すとそれをテーブルの上に広げた、又、悪寒が走るとテーブルの上には頬杖を付き呆れ顔の雪音が横たわっていた。
「お姉ちゃん、ウチのこと無かった事にしたやろ」
「いっいや、そんな事ないよ!一息ついたらと思ってた」
「怪しっ、まぁええわウチにもなんか買うてや喉からからや」
晶はペットボトルのオレンジジュースを雪音に渡した。
「ところで雪音ちゃんどんなトリック使ったの?」
「あぁお姉ちゃんウチの事なんも知らんのやなぁ、せやなぁ⋯」
そう言うと雪音は晶のジュースを取り上げ軽く握るとそれを晶へ返した、晶は何がしたかったのだとジュースを受取ると握る手に激痛が走り離そうとした缶は手から離れなくなり晶は慌てて缶を振り落とそう手を振った。
「あかんあかん、お姉ちゃん手ぇボロボロになんで」
雪音は晶の手首を握ると缶を人差し指でチョンと触った、途端に缶は晶の手から落ち床にジュースがこぼれ広がってゆく晶は何が起こったのか呆然としていた、まだ状況を把握できていない晶に雪音は今度は床に広がるジュースに優しく吐息を吹きかけた、するとみるみるうちに床のジュースはカチカチと音を立て凍ってゆくのだ。
「なっこれで掃除しやすくなったやろ」




