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この数日の出来事全てが無駄にも感じる日常の風景がそこにはあった、携帯に目を落とし行き交う人々、キャリーケースを積もる雪に足を取られ苦労している観光客、ありきたりの日常が帯広には戻っていたが確実に数カ所ではそれが何であるか解らない程の散らばった肉片に悲鳴が上がっているであろう、しかし帯広を襲った怪異の収束は一応果たされたと薫は庄崎へ連絡を入れた、7コール、通常ここで庄崎がでなければ留守電サービスになるのだが既に10コールを過ぎ庄崎が出る気配はなかった仕方なく薫は第三分室の固定電話に掛けてみた。
「あっ清井ですけど庄崎さんお願いします」
「⋯いません」
「携帯繋がんなくて何処行ってるんですか?」
「⋯わっ分かりません」
「えっ⋯では土門さんは?」
「⋯来てません」
如何にも歯切れの悪いやり取りに懸念を抱き首を傾げる薫から裕二が携帯を取り上げると心配そうに話し出した。
「真依ちゃん如何したの?何かあったの?」
裕二がスピーカー通話に変えると堰を切った様に泣きながら話し出す真依の声が聞こえてきた。
「ゆっ裕二さんですか!庄崎さんが!庄崎さんが!」
「真依ちゃん、落ち着いて大丈夫だから、ゆっくり何があったか教えて」
真依の話では突如第三分室を訪れた女性から庄崎が連れ去られたと、土門はその後やって来たが大声で叫ぶと出てゆきそれっきりと言う事だった、そして真依の口からは信じ難い言葉が漏れた。
「その女性ですが⋯女優の是枝華鈴でした」
薫だけが声を上げて否定した、若手女性俳優ではトップ3に入る存在の俳優が何故庄崎を誘拐する必要があるのだと、しかし加害者が誰であれ庄崎が誘拐されたのは事実らしく薫達一行は急遽予定を変更するとゲレンデを千歳空港に置き空路羽田を目指した。




