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薫が裕二の刀を肩に抱え息を切らしスロープを降りてくるとそれに気付いた巌は立ち上がり並ぶ人型の一体を渾身の力で殴り飛ばした、害星人は拘束されており他の人型は既に無力化され微動だにせず無抵抗にボーリングのピンさながら数体を巻き込みながら飛び散った、害星人の入る人型は一瞬恐怖であろうかピクッと痙攣すると巌は振り返りその人型の背後から肩へ腕を回し言った。
「さぁお楽しみの時間やでぇ、裕二っ子供は?」
しかし裕二の応えはなく辺りを見回すと巌は薫に聞いた。
「薫、裕二はどこ行ったんや?」
「ガンさん何やってんですか!」
薫は刀をスロープの壁に立て掛け巌に駆け寄ると事態を説明した、巌は苦笑いを浮かべ残る人型を見回した薫は呆れ顔で刀を拾いにスロープへ向かおうとしたがおもむろに言った。
「あぁガンさん、裕二さんここにいますよ」
一部が巌により削られはしてたが残っていた人型は朝礼の如く整列していた、しかし害星人の入る一体とは別に、もう一体、列を離れて表情こそないが雪女を背後から凝視すると今にも飛び掛かりそうな人型がいた。
「何してんねん裕二」
巌はそう言いながら前蹴りを放つと人型はスッと躱す騒動に気付いた雪女が振り返るとその人型は両手を広げ雪女に飛び付いた、しかし間一髪、薫が間に入りそれを阻止したがあろう事か人型は薫の襟元を掴むと投げ飛ばしたのだ。
「あかん裕二の発作や、姉ちゃん逃げぇ!」
巌が慌ててその人型に飛び付こうとしたがそれをも躱し返す刀で後ろ回し蹴りが巌を襲った、しかし巌は柳の枝が風に靡いた程度で簡単にそれを掌に収めると軸足の太腿を蹴り飛ばし破壊した、人型は巌に脚を持たれ逆さ宙吊り上半身で巌の足元を殴り付けていたが巌の蹴りが脳天を直撃すると頭部は耳辺りまで身体に埋没し頭頂部は伽藍堂の中身を見せていた、巌が手を離すとガサっと駐車場の冷たい床に人型は落下し人型は残る脚で立ち上がろうとしていた巌は呆れ顔でその脚も踏み潰すと今度は腕だけで雪女へと向かおうとしていた。
「こらあかんわ、薫っ裕二の刀持ってきてんかぁ」
「えっーあれ滅茶苦茶重いんですよ」
2人は刀のあるスロープの方を見た、すると察しの良い慈照はその刀を引き摺りつつ持ってきていた、当然薫は全力で慈照の元へ駆け寄り刀を受け取ると巌へ渡した。
「やってもうたな薫ぅ減点なぁ、なっ先生?」
「減点しようにも加点がありません」
「あっいや、先生までガンさんに付き合わないで下さいよ」




