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「はい、そうですか…分かりました、ではお待ちしています」
慈照は薫からの連絡を受け巌に耳打ちした、無論薫は裕二からの指摘で弁えていた終始隠語で害星人の発見を伝えていた。
「姉ちゃん、ちょっと予定変更やが終わり良ければ全て良しや」
雪女は初めて笑顔を見せた、そして巌は雪女のその決意を汲み取った。
「でっ裕二さんこの後は?」
「後は兄貴次第、どの道害星人は動き出します」
「えっ、どの道って⋯どう言う事?」
雪煙を纏うと雪女は攻撃に出た、巌は構わず突っ込んでゆく、やはり雪煙の中では巌の攻撃は躱される訳でなくしかし当たらない、薫の言っていたホログラムかと思われたが怨みこそあれ害星人の助力を受ける雪女でない事は闘っている巌にはわかっていた、しかしこれではどうにも男が立たないと巌は懸命に探っていた雪女も当然巌を探っていた、この原子の振動すら完全に静止させる現世物理法則を超越した−637℃、触れたものは凍らせるのではないその刻を止めるのだがこの男はどんなカラクリか身体の一部すら刻が止まる事はなかった。
ここで巌がニヤっと笑った雪女は感じるのだろうか背筋に冷たいものが走ったのを、巌は敢えて雪女と距離をとった。
「姉ちゃんほんまカンニンやで、全てわかってもうたわ、姉ちゃんの方はどないやまだ時間かかりそか?」
雪女は笑った何世紀振りだろうか闘いの中でお互いを意識し高め合う許されるのであればこのまま数100年闘い続けたいものだと、しかし巌の言葉を受け雪女は手を止めた“潮時”何方が倒れなければ雪音を救えないと。
「何や姉ちゃん降参かいな」
「いいえ、次の技で倒せなかった男はいません」
そう言うと雪女は巌へ無防備に近付いた、巌は既に拳の届かないカラクリを見切っており隙あらばその拳を撃ち込む用意はあった、しかし雪女はスッと透き通る様な手を伸ばしその両拳を優しくそっと包み込むとおもむろに巌の唇に自分の唇を重ねた、巌の南国で育った様な浅黒い日焼けした肌はみるみる血の気を失い土気色に変わるとそのまま後方へ倒れた、慈照は諸々突然の事で呆気に取られていたが我に返ると巌に駆け寄った。




