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やはり巌の言う通りであった“雪音”3000年の時を経て次世代の精霊としてそれを引き継ぐ雪女の実子の名、その子を空間転移で常世へ侵入してきた害星人に連れ去られたと、雪女の話では他にも精霊から聖獣、妖怪、そして神に近しい存在までもが眷属に成り下がってると言う事であった、慈照は別の班が害星人を探してその雪音を保護するべく動いていると伝え様としたが口を噤んだ、慈照の口元には巌の掌もあったが慈照がコクリと頷くと巌は手のやり場に困り頭を掻いた。
「ほな姉ちゃんの体裁もあるやろ、もっかい始めよか」
「かたじけない何から何まで⋯」
「ええねんええねん、姉ちゃんは気にせーへんでやワシ卑怯もんがいっちゃん嫌いやねん」
薫と裕二は帯広駅へ移動していた、裕二は害星人を見つけ移動しているのか勘で動いているのか薫は考えていた、薫の審美眼は正確であるここ数ヶ月の裕二の行動から判断すると言動こそ無駄は多いが行動に無駄はなかった、であればとは思いたかったが如何にも子供っぽい面が気になりマイナスイメージを拭えないでいた正直、今迄出会った一番動かし難い人間であった、逆に巌は言動、行動共に単純で想定外の行動はなく先を考え指示を出せた、しかし制御不能に陥った時のリスクは桁違いに巌の方が上であり薫の中では巌6で裕二4とリスクマネージメントを設定していた、すると唐突に裕二が語り出した。
「薫さん、害星人が意識体ってのは知ってるよね」
「あぁ、霧島博士の存在を見ればね」
「意識体って言うのは時間と空間の概念を無視できる存在なんだけどこの4次元空間において物理的行動をするには⋯」
「身体となる器が必要だね」
薫が食い気味に答えると裕二は駅の北側通りに駐車する40ftコンテナ車を指差した。
「成程ね、前回の失敗を踏まえて⋯40ftにどの程度積載してるんだろうか?でも良くわかったね裕二さん」
「伽藍堂のボディにこの寒さは堪えるんだろうね、それでリーファーコンテナなんだろうけど冷凍機に雪が積もってないバレバレだよ、まぁバレても余りある数を積んでるんだろうね」




