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 巨人は子供の悪戯に付き合う親の様に佐久間をあしらっていた、レールガン、スティンガー共に一射ずつ放つも再現VTRを見せられてるのかと見紛うばかり、一定の距離を保ちあの右手の攻撃こそなかったが佐久間にも打つ手はなかった、20㎜も残弾数は500を切り戦闘時間は既に20分を超え109式の稼働時間は10分を切っていた、あのコンテナに戻ればチャージは可能であったが巨人をこの位置まで引きつけた意味がなくなる現状で考え得る最善策としては後、10分以内にもう少し南東に引きつけ晶のバスを通過させコンテナへ戻りチャージを行うその後は逃げるの一手、上手く逃げおおせるか無理ならばバッテリーが尽きるのが先か命が尽きるのが先か出たとこ勝負であった。


「いいぞ道明寺、高校へ向かえ」


 巨人の歩幅でも5歩開いた時に佐久間は晶に連絡を入れた、もし踵を返しバスを追い始めるならその無防備な背中に残るタングステン弾を撃ち込むまで又、躱すのだろうがその動きは一瞬止まる、避難民を乗せるバスが逃げおおせば我々の勝ちであると佐久間はそう考えていた、だが巨人はバスを気にする事もなく佐久間と向き合っていた、どことなくであるが佐久間とのこの時間を楽しんでいる様にも見えた、佐久間は想定通り一気に巨人との距離を詰め股の間を潜るとコンテナに向かった。


“巨人”(いにしえ)より語り継がれてきた人を喰らい町を破壊する怪力で粗暴、力任せで本能に従う獣そんなイメージだ佐久間も無意識下でそう考えていた、しかし逃げる109式の上空を追い抜き放物線を描き飛んでゆく物体の予想着地地点がHMDS表示されると強制的にその考え方を矯正せざる得なかった、絶体絶命そんな言葉以外いくら絞り出しても出てこない事態に陥った。


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