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「ガンさん、くれぐれも先生の事お願いしますよ」
「言われんでもわかっとるわ、そっちも頼みまっせ」
現時点で不確かではあるが人質がいると想定した場合、巌と慈照は再度雪女にコンタクト、薫と裕二は近くに潜伏しているであろう害星人を捜し出す2班行動の方が最適であろうと当初の慈照の計画を変更した、三度目の帯広はまだ昼前であったが陽の光は届かない荒天、猛吹雪だった、風の唸る音は足音を消し白く霞む世界は人影そのものを消す天候は薫達に味方していた、ただ互いの会話に関して言えば大声を強いられ若干隠密性を欠いていた。
「先生っ、わしは平気やが先生はツライんちゃうか?どうせ向こうから来るやろうし何処か入ろか?」
「そうですね、そうして貰えたら助かります」
雪女の狙いは薫達であった探さずとも向こうから来てくれる図書館の時もそうだった、それに動き回っていては害星人も共に移動していると想定すれば2班で移動しているのだ鉢合わせの可能性もあった、慈照達は1ヶ所で構えその周辺を薫達が捜す、これが最も合理的であったがそれを巌の口から言われた事に薫は口を尖らせていた。
「薫さん、兄貴はああ見えて百戦錬磨の手練なんですよ」
「でも裕二さん、ガンさんが強いのは分かるけど実際戦闘経験って話を聞く限りそこ迄ないですよね、そりゃ一般人とのいざこざは知りませんよ」
「はっはは、まぁねでもまだ薫さんと出会って数ヶ月でしょ、全然たんないよ語り尽くすには、まっゆっくりしたら兄貴に聞いてみると良いよ、ただ酔っ払うとかなり盛るからね」
2人は吹雪に会話がかき消されない様、互いの頬に口付けをしているのかと見紛うばかりに顔を交互に近付け会話していた、巌は薫達の事を考えアンブッシュに最適な場所“帯広駅”に陣取り吹雪を防げる地下駐車場へ移動すると連絡を入れた、薫達はそれを受け駅前にあるホテル日航最上階で駅周辺を監視、薫はそれを慈照に連絡しようとすると裕二がその携帯を取り上げ代わりに伝えた。
「あっ先生ですかぁ、僕たちは駅の北側の中央公園にいますんで何かあったらすぐ行きますねぇ」
薫は何を言ってるのだと携帯を取り上げ訂正しようとすると裕二は手を伸ばし停止の表示に触れた、薫は不満気に裕二を睨み掛け直そうとしたが裕二が言った。
「薫さん、僕らの携帯なんか当然盗聴されてるに決まってるでしょ」
裕二はそう言いながらベットに寝転がった、薫は感心しつつ携帯を眺めていたが気を取り直すと言った。
「裕二さんふざけてないでちゃんと監視しないと」
しかし裕二は何度か寝返りをうつとベット脇のルームサービスのメニュー表を手に取り眺めながら言う。
「敵は見てわかる相手じゃないからなぁ」
「えっ、ではどうするんですか!先生達は雪女と対峙するのにこっちはここで何もしないんですか?」
「本当っ薫さんは真面目だなぁ、大丈夫だって、ほら」
そう言うと裕二はマットレスをポンポン叩いた、薫は大きくため息をつくと眼下の街並みを食い入る様に見つめていた。




