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巨人は上半身を捻ったまま憤怒の表情で佐久間を睨んだ、禍々しい程のオーラが佐久間の自由を奪う、しかし109式のセンサーは巨人を脅威と認定し回避行動に移った、巨人はその姿勢のまま無手の右手を振った、途端に109式の右側の大地が裂けその直線上にあった物は跡形もなく消し飛んだ、巨人の右手には見えないが何かが握られていたローター機の右翼を切断したのもこれであった、巨人の視線を外れた佐久間は自由を取戻しスティンガーを放ち巨人との距離を取ろうと南東方向へ逃げた、通常スティンガーミサイルは赤外線誘導であるが109式搭載弾は派生型の光波誘導、佐久間はレティクルを巨人の頭部に固定したまま後退する、すると巨人は佐久間の方へ向き直り左手を前に出した叩き落とすつもりか佐久間は咄嗟にレティクルを傷のある右肩へ移動させた、軌道は巨人の直前で左にそれ右肩を目指すと思われたが巨人の手前で誤爆したのだ。
ミサイル自体は米国製であるが国内にデリバリーされると一度分解再整備されているのだ、言い方は悪いが米国製とは製品精度が違う、それが誤爆など考え辛いのだ佐久間はコンテナのハードランディングを疑ったが今それを再調査する時間はなかった、佐久間は3秒考えアウトボクシングを捨てインファイトに切り替えた、現時点で想定される巨人の能力は右手から衝撃波の様な物を放つ、距離のある攻撃は何らかのセンサーで躱される、そしてもしかすると右手と同じ原理の物が左手にも、正直まだ他にも隠された能力がある可能性も高いが想定した3つに関しては近接戦闘の方が有利である、それに巨人の右肩は普通に傷付いており即ちそれは物理法則に則っている事になる、あの巨体の1G下での運動能力は到底109式の機動力に敵うものではないウドの大木であると佐久間は判断した。
109式脚部超伝導ボールベアリングシステムは一気に加速すると巨人まで50mまで接近、ここまで接近するとかなり見上げなければ巨人の頭部は確認できない、しかし今重要なのは撹乱、佐久間は一気に巨人の股を潜ると反転20㎜バルカンを巨人のアキレス目掛け撒き散らした、このサイズの敵に20㎜などかほど効果もないであろう、しかし確実に赤い斑点が広がり始めると巨人はそれを嫌がり右足を後ろに払った、唸りを上げて踵が佐久間を襲うが109式は軽く躱す、しかし巻き上げられた瓦礫が襲い109式自体のダメージは軽微であったが搭乗する佐久間は衝撃で気を失いかけた、HMDSのアラート音でどうにか正気を保ち振返った巨人を誘導すべく距離を保ち後退した。




