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 開いた扉に立っていたのは俳優と見紛うばかりの美しい女性だった年齢的には20代後半か30代前半、透き通る様な美しい声に翔太はぎこちなく頷いた。


「そうですか、それは良かった、では庄崎さんと言う方はいらっしゃいますか?」


 翔太の身体はメデューサに睨まれ徐々に石化しているが如くゆっくりと庄崎の方を向いた、真依は失礼にも写真を撮ると画像検索を掛けていた、庄崎は真依に『やめなさい』と声を掛け扉に歩み寄った。


「申し訳ありません(わたくし)が庄崎ですが何か御用でしょうか?」


 庄崎は女性に近付き改めて同性でありながらも見惚れてしまう美しさに翔太と並び時が止まった様な感覚に襲われていた、白磁の様な白い肌はきめ細やかで庄崎の手は無意識にその肌に触れようと女性の顔に伸びていった、しかしここでようやく厚生労働省、障害者雇用対策課第三分室室長、いや政府専属霊能者としてのプライドがその手を応接セットへ誘う手つきに変化した。


「失礼致します」


 女性は軽く会釈をすると庄崎の横をそよ風が桜の香りを伴い通り抜けた、庄崎は又、その後ろ姿に見惚れていた、と同時に歳不相応な振舞いに少々戸惑っていた、ただ単に若作りな女性なのだろうかしかし見た目ではあるが肌年齢は10代と言っても過言ではなかった、庄崎自身も先日の一件でアラカンと確定していたがそれすら霞む美しさだった、女性はソファーの横に立ち庄崎を待っていた庄崎は我に返ると小走りで応接セットへ向かい女性に着席を促した、女性はセミロングの髪を軽くかき上げ3人掛けのソファーへ腰を下ろした、それを確認すると庄崎はデスクの引き出しから名刺を一枚取り出し女性に渡すと自分も女性の正面に座った。


「庄崎さん、お噂は予々(かねがね)聞いております(わたくし)鈴木花子と申します」


 女性はそう言うと庄崎へ名刺を渡した、それを受け取った庄崎の片眉がピクッと痙攣した、白い名刺に楷書体縦書きで“鈴木花子”所属、会社名、電話番号すらなく名前以外には何の情報も記載されてない“鈴木”に“花子”冷静になれば山田太郎と大差なかった、これは偽名であり身分は語れず庄崎と同じくアンタッチャブルな存在だった庄崎はまだ日の当たる場所にも現れるがこの鈴木は多分もっと深く日の光が一切届かない場所の住人だと庄崎は一気に警戒モードに入った。


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