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「であれば我々はどう動けば良いんだろ裕二さん?」


 裕二は資料から目を切らずに答えた。


「押上では近くにいたから今回も近くで身を潜めてるんじゃないかなぁ」


「では2班に別れて雪女と害星人を同時に攻める、そんな感じかなぁ」


「そうですねぇ、それで…」


 裕二がそこまで言うとそれを遮る様に慈照が言った。


「すみません裕二さん話の腰を折って、でも(わたくし)ひとつわからない事があるんですが」


「何ですか先生?」


 薫が合いの手を入れると慈照は言った。


「その害星人なる者の事は存じませんがその様な者達に精霊があっさり眷属(けんぞく)に成り下がるか甚だ疑問に思いまして」


「そりゃ先生、人が良すぎるとちゃいまっか古今東西、(いにしえ)から簡単な方法あリまっせ」


 巌が又、背後からポツリと呟いた、皆、口にこそ出さなかったが薄々気付くと黙り込んだ、それを踏まえて慈照は語り出した。


「雪女は姑獲鳥と同じく子供に関する伝承に事欠かない存在ではありますがその子を育てたと言う話は聞いた事がありません」


 確かに各地にある雪女の伝承では子供を(さら)い養子にするや子供を抱かせるなどの逸話はあれどその子を育てたと言う話はなかった、しかし誰しもが巌の意味深長な言葉を否定するには至らなかった、もし害星人が子供を人質に雪女に凶行を強いているならば我々の立ち回り方は如何にするべきかと話は完全に人質ありきに展開しホテルの一室には帳場が立ちさながら警察署会議室の雰囲気を醸し出していた。


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