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吹き抜けの天窓がカタカタと震えだすとガラス窓は霜が張付き白カビが増殖するが如く盛り上がってゆき室内の気温もグングン下がり始めた雪女が屋上に現れたのだ裕二と慈照は白い息を吐きながら懸命に資料を集めを続け薫は天窓を眺める巌の元へゆき言った。
「ガンさんは殿を頼みます」
「よっしゃあ、リベンジマッチや」
薫は2人から資料や書籍を受取りバッグに詰め込んだ、雪女は1階から来ると踏んでいたが屋上から来てくれるとは好都合だった、来た道を戻り入口から車へ戻れば後は帯広から退散し途中のサービスエリア辺りで雪女の鎮め方を検討してここへ戻る机上でのシミュレーションは完璧だった、慈照は入手したバッグの中身を確かめ頷くと『行きましょう』と声を掛けた。
天窓は昭和の冷蔵庫の製氷庫と見紛うばかりに霜で覆われ尽くされ既に外の景色は全く見えない、すると天窓が霜の重さに耐えかねたのかミシミシと軋みドスっと音を立て落下した途端に雪煙が図書館に雪崩込むと一瞬で1階フロアの足元は雪煙で覆われた。
「ダメですね、1階には降りれません」
裕二が雪煙の立ち込める高さギリギリまで階段を降りると階下から言ってきた、巌以外あの雪煙の中に入れば一瞬で氷像だった、薫は辺りを見渡す、参考図書コーナーの奥にも階段は見えるが入口から余計に遠くなるだけでどの道1階には降りれないのだと別のルートを探していた。
「ガンさん5分稼げますか?」
「楽勝や」
薫はそう言うと慈照と裕二を連れて逆に上階へ上がった、慈照は巌の背後を通る際、懐から五鈷杵を取り出しそれを巌に渡した。
「なくさないで下さいね、大切な物ですから」
「おっーなんやこれ、ものごっつエエやんけ先生、ええもん持っとるなボクあいつ倒しちゃうかも」
慈照は巌の肩をポンと叩いた、巌はその肩に置かれた手を見ると破顔して呆れた顔で首を振った。
「はよお行きや先生、薫が待ってんで」
そう言うと巌は吹抜けを飛び降りた、上階へ上がる階段では皆が微かに背後から聞こえる声を聞いた。
「北国のぉ~旅の空ぁ~
流れる雲 はるかぁ~
時に人恋しくぅぅ、
ええ感じや、ほな行くで」




