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 図書館内部はやはり刻が止まっていた、ここも他と変わらず一瞬の出来事だったのであろう笑顔を浮かべたまま子供は氷像と化していた薫は慈照を追い抜かすと書士のいるカウンターへ入った書士は返却図書の処理をしようとバーコードリーダーを手にしたまま凍っていた、薫はリーダーのケーブルをPC本体から抜き取り書士を椅子のまま端に動かした、多分雪女と思われる怪異は薫達を狙う様に仕向けられている、ならばここを急襲される可能性は高いと必要な文献を手早く探す為薫はキーボードを叩いた。


「皆さん2階に上がって下さい階段を登った所に古地図や地域の文献があります、裕二さんはそのまま進むと調査資料などがありますからそちらを、ガンさんは雪女の警戒をお願いします」


 薫は指示を出しこの場で行える作業をこなすと数十枚プリントアウト、それをバッグに詰め込みカウンターを飛び越え2階へ急いだ、慈照は薫が到着する前に必要な文献を揃えて薫の方へ移動していたが裕二はと言うと薫の指示も聞かず一般図書コーナーで別の文献に目を通していた。


「裕二さん何やってるんですか」


 薫は声を荒げて裕二を叱りつけたが裕二は悪びれる事もなく数冊の本を薫のバッグに詰め込むと参考図書コーナーに向かった、薫は裕二の入れた書籍を1冊手に取ると表紙を眺めた“NS方程式”薫の朧げな記憶では懸賞金が掛けられている数学の難問それだけであった、朧げな記憶であったがただハッキリいえる事が薫にはあった『今、必要か?』である薫はその本を棚へ戻そうとしたがため息をつくとバッグへ戻した。


「ガンさん、なんか動きありますか?」


「いや、あらへんな今んとこ」


 薫は巌に声を掛け参考図書コーナーで必要な資料を漁る2人を横目で眺めていた、地方紙における雪の事故、変死体、行方不明者の記事、過去、遡れるとこまでの地図は薫がプリントアウトした、慈照は民話や伝承、そして参考図書コーナーでは関係ありそうな調査資料、これで土地の因縁、そして雪女自体が持つ因縁の手掛かり程度は見つかるだろうと薫はテーブルへ腰掛け作業を見守っていた。


「薫っ!来よったで」


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