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戦いの女神とまで言われた天才指揮官ですが降格したので問題児を集めて新しい部署で自由にやらせていただきます!  作者: ねこ


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第38話 生きて……!

「フェスさん!もうすぐ着きますから!頑張って下さい!」


 私はアネリー……先輩を背負って必死に走って救護班まで届ける新人戦士です。


「フェスさん!生きて下さい!お願いですから!」


 背中に伝わる血の生暖かい感じ……脇腹からドクドクと血が流れてる。早くしないと!そしてようやく救護班がテントを張ってる場所へ着いた。


「急患です!お願いします!フェスさんを助けて下さい!」


 私を見た近くの医者がすぐさまフェスさんを診てくれた。その医者は眉間にシワを寄せた。


「かなり危険な状態だ!とにかく止血をするからこちらのベッドに!」

「はい!」


 近くのベッドにフェスさんを寝かせると既に息も絶え絶えだった。私はフェスさんの手を握りました。


「声をかけ続けて!死なせたくないなら全力で!」

「分かりました!」


 医者がなぜこう言うのかはわかりませんがとにかく呼び続けます!フェスさんも声に応えてか、握り返してきてくれます。


 私はこの時はまだ信じていたのです……仲間は誰も死なないと……物語の様に主要メンバーは誰も死ぬ事はないと……しかしそれは数時間後に簡単に打ち砕かれたのです。


「フェス・ゴドーが亡くなりました……」

「……嘘……ですよね?」

「残念ですが……肋骨が肺に刺さっており今の医学では治せませんでした。」


 私は涙が止まりませんでした。声を上げることもなくただただ泣き崩れたのです。


「フェス!何をしている!早く戦場に戻ってこい!」


 後ろには先程の第1師団の方でした。


「ったく!フェスったら私が死にかけた時アンタ私にこうしたわよね!」


 そう言ってフェスさんの心臓を思いっきり殴ったのです!


「ちょっと君何を!?」

「黙ってろ素人ども!コイツはこのくらいやらないと目が覚めないのよ!さっさと起きろ寝坊助!」


 そう言う彼女の目には涙が溜まっていました。ですがもう目を覚ます事はないのです。死んだのですから……


「……フェス……どこまでもふざけたガキだったわね……アネリーだっけ?その子の後輩なら私と共に敵を追い返すわよ!」

「えっ……?」


 直後私の頬に強烈な痛みが走ります。数秒後に気がつきます。平手打ちされたのだと……


「あの子が守った場所よ!私たちがその意思を引き継いで護るの!泣くのはまた後よ!」

「……はい!」


 私はフェスさんの唇にキスをしました。


「直ぐに戻りますから……皆さんの元へ帰りましょう。」

「……良い目になったわね。私は第1師団コーストよ!全員地獄へ送ってフェスにもう一度殺されればいいわ!」


(いい目になったわね……これで安心して逝けるわ……ありがとうアネリー……頼んだわよ……メアリー、コーネリア……)


 そしてこの報告はすぐさまメアリーの元へも届いた。


「……嘘でしょ?」

「あのフェスが……一体誰に!?」

「報告によるとアインレッツと戦闘後勝利……その後後ろに居た伏兵に背中から刺されたとの事、直接的な死因は肋骨が肺に刺さった事による窒息だったそうです。現在は第1師団のコーストとアネリーが交戦中との事です。」


「わかりました。下がって下さい。」

「はっ!」


 伝達係を下げ私は頭を抱えた。現在最前線の作戦室へ居た私たちにとっては最悪の訃報と言っても過言ではない。


「何故あのフェスが……?」

「体格差です……フェスは小柄に対してアインレッツは巨体です。身長だけでも40センチ以上です。体格も全然違います。逆を言えば小柄で小回りの利く身体を使って戦えば勝負になりますが……一撃で戦況がひっくり返ります。」

「だから避けたかったのですか?」


 私は頷きました。


「負けても生きてればまた強くなります。それにあの子はまだ成長段階でした。本当に残念です……」

「…………」

「ですが……もう2度と一緒に戦えないのですね。」


 その言葉でコーネリアは泣き出してしまいました。私も泣き出しそうになります。しかしアインレッツを倒してくれた事はこちらに勝利をもたらしてくれる可能性を繋いでくれました。


「コーネリア、私たちの仕事を……フェスに顔向け出来る様に!」

「はい!」


 涙を拭い私たちは戦局の紙を見ます。最前線には第1師団と第3師団が合同で戦闘を行っています。こちらの戦力は7000人……相手は20万人強……やはりこうなると指揮官を倒して士気を下げるのが1番だが……


「……私が出ます!」

「馬鹿な事言わないで下さい!メアリー様!」

「本気よ!私が敵の指揮官クローバー元帥を討ちます!」

「正気ですか!?彼に触れた者はおろか見た者は今この世にいないとまで言われてるんですよ!」


 一流の暗殺者が挑み全て返り討ちにした男……クローバー元帥。知略もさる事ながら武芸も達者と聞く。前回の停戦時にはいなかったが今回は前線で指揮を取っている。


「そうですね。ですが尚のこと彼を落とせば敵の士気は下がります!その為に策を練りますよ!コーネリア!」


 そうフェスが繋いでくれた未来を繋ぐ為に!

 ここまで読んでいただきありがとうございました!次回更新もお楽しみに!


 フィンランド軍のスナイパー白い死神は戦線で顎が半分無くなるという大怪我を負い。助からないと分かってても仲間は後方の病院へと送り届けました。結局葬儀の際に生きてる事が判明し、その後90歳位まで生きたそうです。

敬意を払うとはこの事だと思った話でした。

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