第37話 最前線2
私は後ろから刺されていた。しかしまだ終われない!
「いきなり刺すなんて……不躾じゃないかしら!?」
私は振り向きながら持っていた槍を振り回した。
「ぐっ……」
「アンタの大将はやばい奴だったけどそれでも戦士としては誠実だったわ!それを仇だからと後ろから刺すなんて……それで顔向け出来るの!?」
「うるさい!あの人の仇は俺がとらねぇと!」
真っ直ぐ突っ込んでくる敵に私は槍を構え直すが振れる体力はない……虚勢で耐えるしかない。
「フェスさーん!」
しかし助けが来た。アネリーだ!
「アンタの相手は私よ!」
「……チッ!覚えてろ!お前だけは必ず殺す!」
敵は去ったがまだ戦地……狙ってるのは他にもいる。
「君たち!こちらへ!退路は開いております!」
アネリーは意識を失いかけてる私を背負って退路へ向かった。
「アネリー……」
「喋らないで下さい!すぐに軍医の所へ向かいますから!」
「……聞きなさい、アネリー……たぶん私は助からないから……さ……後ろから……来てる奴らを……」
「えっ!?」
微かだが足音が聞こえてる。これは間違いなく追っ手だ。そして私は明らかに血を流し過ぎてる……
「何を弱気な事を!フェスさんらしくないですよ!」
無理やり笑うアネリーにも分かってるから安心させる為に笑ってるのだろう……だが……そんな事してられない!
「聞きなさい……!楽観的な事考えないで……!このままだと……奴らを……医療班の居る場所へ……案内することになるわ!負傷兵や医療関係者を……殺して士気を下げるのが……目的……今私を見捨てて……アイツらを倒せば最悪の事態は……避けられる……だから……」
「出来ません!そんな事!なら私が急げば良いだけです!」
「足音は……3人……げほッ!」
私は大きく吐血した。もうすぐ終わるな……
「もう喋らないで下さい!大丈夫ですから!戦争が終わったらまた稽古付けてくれるって言いましたよね!?美味しいお店があるって!連れてってくれるって言ってくれたじゃないですか!?」
あー……言ったな……忘れてた……約束守れそうにないなぁ……
「ごめん……メアリーにさ……連れてって貰いなさい……」
「嫌です!フェスさんと行きたいんです!」
嬉しいねー……泣いちゃうよ……アネリーはもう顔がぐしゃぐしゃになってた……そんなに泣いてくれるのかー……やっば……死にたくないな……
「…………」
「フェスさん!フェスさん!目を開けて下さい!」
私はもう息が出来なかった……恐らく肋骨が肺に刺さって息ができなくなっていたのだ。アネリーは走り出した。そして追っ手も速度を上げて来た。追い抜く事はないだろう……私を置いてここで索敵班殺した方がいいのに……あー……でも、最高の後輩に巡り会えたなぁ……
「ったく!最強の槍使いが何してるの!」
「えっ?」
アネリーの目の前には背中に巨大な手裏剣を担いだ金髪の女性だった。
「あなた!そのまま走りなさい!ここは私が引き受ける!」
「あ、あなたは!?」
「第1師団所属の者よ!早く行きなさい!悪いけど、その子はまだ死なせられないの!その子の生命力ならまだ間に合うわ!全力で走りなさい!」
「は、はい!」
アネリーは警戒しつつも走り出した。これまでより早いペースで……既に意識を失ってる私を背負って……
「さぁーてと!あの子をよくもやってくれたわね……まぁでも……ここであなたたちは死んでもらうけど!」
そう言って背中に背負った巨体な手裏剣を構えた。そしてそれを1回転しながらぶん回し放り投げた。直後木々を切り倒すついでに索敵も全て切り倒したのだった。
「ったく!メアリーったら人使いが荒いんだから!でも……いいなぁ……私も21師団に行こうかなー……」
「こっちだ!こっちへ逃げて行ったぞ!」
「ああ!あの槍使いは殺しておかなければならんな!」
「やらせると思う?」
「えっ?」
その直後先程投げていた巨大手裏剣が戻ってきて女性の手へ吸い込まれるようにキャッチ!戻ってくるついでと言わんばかりに現れた敵兵の首を刎ねての帰還だった。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!
不死身の分隊長……この方はボロボロになり自害する為に手榴弾のピンを外したにも関わらずその手榴弾は不発、その後這ってアメリカ軍の基地に向かいますがあえなく捕まり捕虜収容所へ……しかし回復すると内部から破壊工作を始めたのです。
恐ろしい執念ですね……
この方は戦後も生きぬいて天寿を全うしたそうです。




