第30戦 悲劇
私は法務局へ来ていた。
「繋いで貰える?」
「どちらにですか?」
「フルートへ、セレナが来たと言えばわかるはずよ。」
受け付けにそう言うとすぐに返答が返ってきた。
「お待たせしました。3階の313号室でお待ちしております。」
「ありがとう。」
一言礼を言って私は313号室へ向かいました。部屋の前でノックをすると向こうから扉を開けてきた。
「久しぶりねセレナ……」
「そうね。フルート。最近はどうかしら?」
「なかなか大変なものよ。二重スパイなんてのはね。」
この子はフルート、二重スパイで南の国と私たちの国の2つでスパイをしている。正直この人はどちらの味方なのかわからないが今回に関しては役に立ちそうだから来たのだ。
「フルート、西の国の情報あるかしら?」
「……なぜ私に聞くのですか?」
「祖国に必要な情報あるけど?どうかしら?」
「……内容によって判断しましょう。」
という事で、交渉開始です。ソファに座って紅茶を用意してから改めて向き合います。こういう時はお互い信頼してないので自分の分は自分で作ります。
「それじゃあ始めましょう。それでどんな情報かしら?」
「まずは……この2人……」
私は名前の書いたメモ用紙をテーブルに置いた。こういう時名前を言って後で言った言ってないを防止の為に残せるものを使う。
「ふーん……この2人がどうしたの?」
「南の国の情報を売ってるわよ。」
「この情報はよく言われてるわね。こんな情報じゃあ売れないわね……」
まぁこの程度の情報じゃダメなのは知ってる。だからこそこのカードが切れる。
「スパイの情報をスパイに売ってるとしたら?」
フルートは僅かに眉をひそめた。
「スパイを他のスパイに?セレナじゃあるまいし、なんの特があるのかしら?」
「彼らは情報屋になるつもりよ。」
「…………ありがとう、早急に消すわ。」
情報1つで国が滅ぶ、兵器なんかを使わなくても市民にあらぬ噂を1つ撒くだけで内乱を起こしかねない。それが政界内となると本当に混沌と化してしまう。そうならない為にも政界のネタを市政に売ろうとする者は消さなければならないのだ。
「それじゃあ私の方もいいかしら?」
「西の国の情報かしら?」
「いいえ、西の国のスパイを消したいの何かネタはないかしら?」
「政界から?それとも世界から?」
「そうね……たらふく肥えたでしょうし、世界から消えて貰いたいわね。」
「分かったわ、ここで3日後に会合が行われてるわ。小さいけど主要人物は集まってるはずよ。」
「ありがとう、この情報が正なら報酬を更に上乗せさせていただくわ。」
私は部屋から出て行った。フルートは間違いなく敵で、いずれは排除しなければならない。しかし使える者は全て使うのが私のやり方だ。
「おかえりなさい。どちらへ?」
「敵の敵に会って来たわ。今から3日後に動くわ。準備しておきなさい。」
「わかりました。」
それから1日後、戦局は動いた。第2師団の作ったトラップが突破され死者1000名以上の被害が出た。これにより第8師団と第9師団は事実上壊滅となりそれにより生存者はそれぞれの師団へ振り分けられた。
「恐らく敵は罠の道を通ってませんね。」
戦局図を見ながらメアリーは言った。そして被害の大きかった場所から近い道と罠の薄い場所を重ねた。
「なるほど、確かにこの道は手薄になりますね。」
「ここは北の国や南の国からの旅行者も通るので罠を仕掛けなかったのですがね。お相手もここで戦火を広げたくないはずと思って手薄にしたのですが……逆にしてやられましたね。」
メアリーは昔から一般市民を巻き込むことを極端に嫌った。味方であろうとそんなことをしたなら厳罰に処していた。
「メアリー……あと少し待てるかしら?」
「セレナ……あなたの事ですから何か考えがあるのでしょう。」
私は静かに頷いた。
「それで1人貸してほしいんだけどできる?」
「……分かった、アネリーお願いできますか?」
「はい!」
私はコーネリアの妹であるアネリーを借りた。暗殺メインだが手練れもある可能性はある。しかしフェスを連れて行けば現場の戦力は下がるが何より隠密には向かないのだ。結構まで2日……動かないXデー……早く事を起こさないと戦地での死者が増える……もどかしさを隠しつつも耐える2日間だった。
ここまで読んで頂きありがとうございました
次回もお楽しみに!
8月6日……日本人には忘れてはいけない日。8月9日ももうすぐ来ます。悲しい日と思う人、怒りに満ちてしまう人もいるでしょう。けれど過去は変えられない。私たちは何を学ぶのか、平和とは何か、この作品で書けていければと思っております。
そして最後に原爆で亡くなられた方々、戦争で亡くなった方々に安らかな眠りが訪れておりますように…




