第六話 命の価値
レオン「俺の眼の力は水を操る力だ。お前の手が濡れている理由はそれだ。」
レオンの眼が青く輝いてるのが見える 互いに攻撃の手を止めて話しはじめた。
ヒカル「なんで、自分から能力をバラす?」「お前に正面から勝ちたいからだ」
「いや、そこまでしてお前が俺との戦いにこだわる理由ってなんなんだよ」
…
都合が悪いのか話そうとしないな…。
「…喋っている、暇があったら闘いに集中することだな!」
「いや、お前が喋り始めた…うわっ!」レオンの手から巨大な水球が発射された
当たったらヤバそうだな…とりあえず延長線上にいないよう回避を…
ヒカルが回避しようとした瞬間に球の軌道は変わった。
「追ってくんのかよ!」「当然だ。ハァッ!」レオンの声と共に水球が加速した。
「縦にも横の回避にも対応してんのかよ!」 水の球はさらに、速度を上げてこちらに向かってくる! 「しつけぇやつだな!」隙を見てレオンに飛びかかった!
「オラ!喰らえ!」熱風をレオンに直接当てた… はずだったがそこにレオンの姿はなく水の球が止まった状態だった。
「どこに行った!?」周囲を見渡したが、どこにもいない。
ピチャ 俺の足元に不自然な水溜りができていた。
これは…なんかやばい!危険を予知して動こうとした瞬間にはもう遅かった。
ザバァ 水溜りから腕が出てきて掴まれたまま、水球に投げ飛ばされた
ボボボボボボ(息も身動きもできねぇ…)
「やるじゃないか。体を水にしてなかったら死ぬところだったな。だが、終わらせてやろう!」ボボボボボボ!(やばい!死ぬ!)レオンがヒカルに剣を急速に振りかぶった
はああああああああああ!!!!ヒカルは眼の力を集中させて水球を爆発させた その後、ギリギリでレオンの剣を蹴り飛ばした レオン「ぐっ!」ヒカル「だぁ!」そのまま、レオンにバーニングヴロウを放つがすんでのところで躱された
「これも避けるのかよ…流石に強いな…」「当然だ。同じレベルに立っていると思うなよ?」「ゼェ…そうかもなぁ。だけど、お得意の剣技が使えない、今なら俺の方が上かもしれないぜ?」
「フン…そんなに剣が使われることが怖いのか?ならば、真の剣を見せてやろう!」
レオンがニヤつきながら言った。「剣って、お前今持ってないだ…」「ハァ!」レオンの眼の輝きが強さを増し、手から水の剣を作り上げた。「は!?デカすぎんだろ!」剣の全長は20mを越えコロシアムの半分を占めるほどだ。
「だけど…そんなので振れるのか?」「今から、見せてやるさ…フンッ!」20とかお構いなしに想定以上の猛スピードで振ってきた!「そんなのありかよ!」俺はギリギリで剣を躱した!観客「きゃぁぁぁぁあ」観客席の人間までもぶった斬る勢いだ!
しかし、ギリギリで躱したため、剣が顔にかすっていて、出血してきた。「水なのに切れ味まであんのかよ…」垂れてくる血を指で拭いた。 「ゴチャゴチャしてないで生き残るのに集中しろ。」レオンはさらに、剣を振り続けた 「クソ!」 俺はひたすらかわし続けた。と言っても反撃出来るチャンスがまるでねぇ…どうするか
そうだ!レオンに向けて粒状の熱を放たれた 「下らん…そんな技が通用するとでも?」レオンは全くお構いなしに剣を振り続ける。
「狙いはお前じゃねぇ!」 先程打った粒状の炎がレオンの足元で爆発した 「起爆式だぜ!」「それも無意味だ!」レオンは爆発の瞬間に宙を舞い、そのまま剣を振り下ろす体勢に入った 「喰らえ!ヒカル!」剣が倍加し40mを越えた 「この一瞬を待ってたぜ!」レオンが剣を振り下ろすよりも少し早く、ヒカルの両手から炎のエネルギー波が発射された「何!?」「喰らえぇぇ!!ラスト・バーニング!!!!」「ぬぅ!!」
レオンは対応しきれず、モロに直撃した… 煙幕が出続けている中で無数の水弾が飛ばされてきた 「あぶね!」「ふん…やるじゃないか…今のに対応するとは…」レオンがゆっくりと地面に着地した
「お前…空中飛行までできるのか。」「眼の力を持ってすれば容易いことだ…」
「ハァ、ハァ なぁ、教えてくれよ…お前は俺の一体何に勝ちたいんだ…?」
「ハァ、ハァ いいだろう話してやる俺がお前を越えたい理由を…俺は…」
二人の上がってくる息とともに風が吹いてきた。
眼の力を持つ者同士はテレパスが使える…
ヒカルの脳裏に直接レオンの声がしてきた
俺の記憶をお前に送る…
俺は生まれてから今まで欲しいものは全て最初から手に入れることができた。
金、女、美酒、豪勢な食事、豪華な城、名馬なんでもだ。
しかし、同時に気付いたんだ。その全てには虐げられし者たちの
犠牲や努力、労力があることを彼らの血と涙と汗を踏み躙って俺は生きているんだと
当時8歳だった。そんなことを思うと絶望の渦中にいた。食事も喉を通らなかった。
常に吐き気に苛まれ、この腐ったシステムを変えることも変える者も現れない。
そんな時だった。街に出かけた時に同い年位の少女が楽しそうに使いの者と
暮らしている様子が見えた。
「ねぇねぇ、アルバートこれ買ってー」「また、チョコレートですか!この前散散買ったじゃ無いですか!」「あれは全部消えちゃったからもう無いよチョコ食べないと死んじゃうかもー」「全く…まだ小さいからってチョコを食べすぎる方が体に悪いですよ?」「あー!小さいって言った!それに言ったじゃん!チョコ消えちゃったんじゃん!だから、食べては無いじゃん!」「ただ捏ねて無いで先に行きますよ。」「えぇーケチー」使いの者がそそくさと言うことを聞かないため、先に歩いていた。
バタン 「ねぇ、アルバート…」少し遠くから声が聞こえる。「何ですか、チョコなら買いません…」「アルバート!!!!」少女の叫びに振りかえると少女は足を挫いていた。そこに馬車がかなりのスピードで通ろうとしていた。「すまない、そこの馬車一度止まってくれ!」使いの者が叫ぶ。
馬車側も気づいたようで手綱で馬を止めようとしたが馬はスピードから止まれずそのまま勢いよく少女の方に突っ込もうとしていた。「コトネ様!」使いの者が全速力で向かうが距離があるため、間に合いそうにも無い。
俺は助けられる距離にいたがこんな地獄を生きるなら、この少女もここで死んだ方がマシだと思い、そのまま放っておいた。すると次の瞬間「うおおおおぉぉぉ!」
一人の少年が少女に飛びかかり、馬の走行上から外れ難を逃れた。
「大丈夫か?」「う、うん。ありがとう」「コトネ様!コトネ様をお助けいただき、ありがとうございます!」深々と頭を下げる。「じゃあ、お礼になんかちょうだいよ!」
「あ!アルバートチョコにしようよ!」「貴方って人は…」
俺はその少年が気になり彼の方に向かった「おい、君。」「なんだ?」「なんで、その子を助けた。」「えーなんでかなー」「自分と関係ないんだぞ?死んじゃうかもしれないんだぞ?」「…あ!確かに。」「ただの馬鹿かよ…」「うーん。だってさ、なんかいいことあるかもしれないじゃん?」「…は?」「この女の子が助かって、僕がそのあとなんか貰えたら最高じゃん!一石二鳥!」「意味がわからん…」「うー、じゃあ、わかったよ!体が勝手に動いちゃったんだよ!」「…君、名前は?」「僕?僕は…」
俺はあの時、お前の勇気から学んだ。人を救う美しさと同時に
自分のやるべきことがわかった。この国を潰す。そのために力をつけた。来る日も来る日も剣の修行を続けた。そして…ある時に俺の眼の力が目覚めた…
テレパスが途切れた。ヒカル「お前の考え方は凄いが…この国を潰す方法なんてあるのか?」レオン「…最近王都で不審死が連続しているのを知っているか?」「ああ、話題になってるやつか。」「昨日で12人目だ。」「?」
「俺が全員殺した。」「何!?」
「共通している点は奴隷を飼っている数が多いことだ。」…俺は黙って聞き続けた。
「やつらは腐っている。金に目が眩んでいる思考にコロシアム優勝者。内密な会話にして欲しいと有れば釣られてくる…あとは、釣られたところを眼の力で溺死させて終わりだ」俺だけでなく会場も唖然としていた。
「俺は改めて誓った…人の命を弄ぶこの国を眼の力をもって滅ぼす!」
俺はレオンを否定出来なかった
「…お前の思想は正しいかもしれない…俺の生まれてからずっとこの状況は狂っている…今のこの国は滅びるべきかもしれない…だが、憎しみは連鎖していくだけだ…!」
「クズどもはその身を持って体感しないと変わらない!自分ごととは考えないからだ!「だからこそだ!そのクズどもを守るために弱者が利用されるんだ!変えるなら、力じゃなくて思想や言葉でわかり合わなければ行けないんだ!」
「そんなこと出来るはずがない!」「出来なくても続けないと行けないんだ!」
辺りが再びひり付くような静寂に包まれた
「…言いたいことは言った。…決着をつけよう。」「あぁ…行くぞ…!」
先程よりは短い水剣をレオンは作り、互いに戦闘体制に入った。
パン! ヒカルが両手を合わせ眼の力を込め始めた 「…なんだ?」 「はぁぁあぁぁああ!」 上空に炎が集まってる… 「何を…ハッ!まずい消えろ!」「もう遅いぜ!ハァァァ!」
レオンが技を打つ前に炎の矢が地面に降り注いだ 地面が焦げ付いてるのを見るのに相当な熱量を持っている 「ちい!悪趣味なやつだ!」レオンは体を液状化させ避け続けた。「逃すかよ!」ヒカルは続け様に爆風を放出した。「なるほど…炎の矢と合わせてのコンボか…だが、俺には通用しない!」
レオンが周囲の熱風を水で打ち消した 「クッソ!お前そんなことできんのかよ!」
レオンとの距離はかなり近かった。ヒュ もはや音速化したレオンの剣がヒカルに襲いかかった しかし 「それは俺じゃねぇよ」レオンが切ったのは陽炎だった 「読んでいたぞ!そこまで眼の力を消費すれば慣れてないお前は使えないはずだ!」
レオンの対応は早くすぐにこちらの居場所に向かってきた…!
「クッ!」俺は近くにあった剣をレオンに投げつけた…「そんなものが俺に効くかぁ!」剣は秒で弾かれ、レオンの水剣がヒカルを襲う 「終わりだァ!ヒカル!」
だが… 「それも陽炎ダァ!」「何ィ!」
陽炎で怯んでるレオンをありったけの力で蹴り飛ばした!「オリャァ!!」
レオンがダウンするとともにに静寂が打ち破られ歓声が響いた。
「うおおおおおあ!」「レオンに勝ちやがった…!」
いいぞー!「決着をつけろぉぉぉぉぉぉ!」「殺せ!」「殺せ!」「こ・ろ・せ!」
「こ・ろ・せ!」「こ・ろ・せ!」だが、すぐさま醜い声に変わった…
「グフッ…いい闘いだった。生憎俺はもう力が入らない…俺を殺して勝利を手に入れろ…彼女のために…」「…なんでわかるんだ?」「お前が私利私欲でこんなゴミ山に来るとは思えん…ただ、それだけだ…」
レオンの表情は死の恐怖ではなく闘い切った満足感を浮かべていた…
「殺せ!」「さっさとやれー!」「くたばりやがれ!レオーン!」「この負け犬が!」
これがコロシアムの英雄に対する仕打ちかよ…俺は拳を収めた。
「俺はコイツを殺さない…決着はもうついてる…命を取ることが勝利じゃないはずだ」
「はぁー?」「なんだよあいつ」「冷めるわー」「いいから早くころせよ!」「偽善者ぶるな!」「こ・ろ・せ!」「こ・ろ・せ!」「こ・ろ・せ!」完全にキレた。
「うるせぇ!黙りやがれ!!!!!!!」あたりは静寂に包まれた
「勝利こそがそんなに大事か?お前ら命をなんだと思ってんだクズ野郎ども!」
「お前ら、こいつの話聞いてたのか?確かにこいつは手段を選ばず、人を何人も殺めている…」
「だけど、それはこいつなりにこの国の弱者を本当に助けたくてやってきたことなんだ。」
「同じ人間同士なのにどうして、理由もなく…こんなふうに立場で差別しあったり、殺し合ったりしなくちゃならねぇんだ!」
「もう、命に値段をつけるのは終わるべきなんだ!」
???「つまらん…下らん余興は終わりだ…」
その時、コロシアムの主催席から誰かがコロシアムの決闘場に降りてきた。
そいつは女性で長い髪と黒衣を身に纏っている。鮮やかな宝飾が施されており、富裕層のような見た目をしていた。
ヒカル「あんた、だれだ…?割り込んでくるな… ん!!?」俺はそいつの眼を見た瞬間に異常なことに気づいた。奴の眼は紫であり、眼の力を使える今だからこそわかる…
死霊や絶望しているもの…おぞましすぎるオーラ…
そして不意に飛び込んでくる断片的な記憶…!「こ…これは…!?」
俺がそのことに意識を奪われている間に奴がこちらに飛び込んでくる…
ヒカル「しまった!」???「お前…一体何回出てきたら気が済むんだ…?死ね。」
ドガガガガバガン…シュウウウウウ…
気づいたら、俺は体が言うことを聞かず。決闘場の壁に体が埋まっていた。




