第五話 眼に囚われし者たち
ヒカル「うわぁ!?なんじゃ、こりゃぁ!」燃え始めていた件の鉄が溶け始めていた。
「アヅッ、アッヅヅい!」夢中で剣を投げつけた。
「な、なんだ、それはぁ!?ク、クソぉ…とりあえず死ねぇえぇぇぇ!!」先程は目にとらえられなかった程早かった斧が明らかにスローに見える。
これは…さっきの感じとは違う…俺は難なく斧を交わすことに成功した。
「チッ!すばしっこいやつめ!さっさとくたばれ!」再び巨漢が振り下ろす。
ん?俺の足元燃えてない?何故か熱くないが…余裕で躱せそうだし、今度はジャンプで避けてみるか…
しかし、ヒカルが飛ぶと同時に思った位置にいた。
なんと、巨漢の目の前に飛んでいる!!!「何!?」ヒカル「えぇぇぇぇぇ!」とりあえず持てる武器も何もないがまたにないチャンス!「沈んどけ!このクソ野郎ぉぉおぉおぉおぉ!」
放った拳は炎を纏っており明らかに今までの速度の比ではない。
気がつけばその巨漢は地に伏せていた。「なんだ…これ俺どうなっちまったんだ…?」
ここ、最近の出来事で出てきた話の共通する“眼”…色…ということは!「俺の“眼”にも色が…?」
溶け欠けてる剣を反射させてみた。
「赤い…!」
目が赤くなっているというより、赤に包まれているというべきなのだろうか。目にオーラを纏っている様な状態になっていた。そんなことをやっている内に俺の腹を剣が貫通していた。
「あぁ、油断してたわ。これは死んだなぁ…でも、なんで、全く痛くないんだ?」
途端に剣が既に溶けていることがわかる。刺さった筈の箇所には傷がない。
「俺の力は炎を操る力なのか?」途端に閃いた!ヒカル「これ腕を振ればどうなるんだ…?」
バグォォオォォン 急激な爆発音と共に熱風が吹いた…
「あちぃ!あちぃ!」「アヅイイイイイイ」コロシアムの半分くらいの人間は倒れた。
「アイツなんなんだ!?」「今、あいつから熱風が!」観客と火傷を負った参加者が騒いでいる
ヒカル「強すぎだろ…」これをもう一回やったらマズイな…ヒカル「おい!お前ら!」
震えていた参加者に対して叫ぶ「お前らもう一回やられたくなきゃ、地面で寝てろ」
参加者は困った表情であちこちを見ている「早くしろ!死にたいのか!?」威圧的な叫びと共に連中の恐怖がピークに達したため、立っていたのは俺だけになった。観客やアナウンサー達が静まり返っている。
アナウンサー「ゲ…GAME SETー!!!!」その言葉と共に辺りは歓声で包まれた。「過去最速で優勝を決めた名もなき戦士!君の名前をお聞かせください!」馬鹿デカイ声で聞いてきた。「俺はヒカルだ…」
「優勝者ヒカルウゥゥゥゥ!!!」ワー!!!!再び歓声が鳴り響くがそれとは裏腹に俺は一才そんなことを気にせず、コロシアムの内部に入っていた。
俺は一度使われたら二度使われないであろう待機室で体を拭いてた。最初に頭を過ったのはロビンのことだった。ヒカル「ロビン…」心優しい彼のことだ…きっと天国には行けてるだろう。この大会中俺は“眼”の力が目覚めた。これが一体何なのかは分からないがこの力に頼るしかない。「そのためにも実験してみるか」体を動かそうとしたその際に、足に枷を繋がれた女性が来た。「すいません…これ…決勝戦の詳細です…」その手はかなり震えていた。
「あぁ、ありがとう」「では…」「待ってくれ」その場を立ち去ろうとする女性を止めた
「何でしょう…?」「君は奴隷なのかい?」「はいそうですが…」「もし、良ければ君が受けている被害を教えてくれないか?」女性は静かに話してくれた「たった一つです…主人の肉欲を満たす為だけの道具として使われています。来る日も来る日もそれだけです。終わりはありません」「逃げ出したくはないのか?」「考えたこともありません…だって残された家族がどうなるかわかりませんから…」
「この世界の命は所詮道具です、皆富裕層の私服を満たす為だけの消耗品に過ぎない…形は違えどあなたもそうかもしれません。」ヒカル「いつか…この仕組みに終わりが来るのかな?」
「きっと変わりません…誰か変えない限り時間が解決するなんて都合のいいことは無いと思います…」「では、私はこれで…」彼女は重い足を引きづりながら歩いていった…「誰かが変えないと…か」
アナウンサー「さぁ、皆様!待ちに待ったBIGイベントVSレオンだー!!!!現在レオンは最高記録を更新し続け49連勝を勝ち越しているー!今日もその勝利の礎になるのか?はたまた、奇跡のような勝利を見せてくれるのか!?どちらにせよ、無謀なチャレンジャーの登場だ!その名もヒカルー!彼は奇妙な力を使い大会を勝ち抜いてきたが果たしてそれがホンモノなのかどうか王者の白日の元にさらされるであろう!!!
FINALE BATLLE!!!READY FIGHT!!!」
醜かった、観客の声が静まり返っていた。歓声や罵声、怒号、金などではなく、ただ目の前の始まった闘いに固唾を呑むことすら躊躇う静寂、見逃すまいとする視線、ただそれだけな気がした。
だが、レオンは剣を抜かずに近づいてきた。
レオン「お前がここまで来るとはな…」ヒカル「あぁ、来てやったぜ。」観客「あの二人…知り合いなのか?」「嘘だろ…?王者と挑戦者が知り合いだなんて…」「今までレオンは来た相手に一度も話しかけなかったのに…」「戦いは始まっているはずなのになんだ、この雰囲気は…」
レオン「俺はあの時お前に負けた…お前は誰より強い…!だから、お前に勝って!今日お前を超えてみせる!」
ヒカル「俺がお前に勝った?一体何の話だ?むしろ、勉強とか運動とか全部負けてたじゃ無いか?
戦いすぎてボケが来てるのか?」
レオン「まぁ、いい。それも今日カタがつく…決着をつけよう」
ヒカル「ああ、とっとと勝って帰らせてもらうぞ」
レオン「行くぞ、武器はなくていいのか?」ヒカル「気にすんな、来やがれ!」
互いに臨戦態勢をとり場の空気が凍りつく、少しの静寂の中、先に動いたのは…
バヒュゥン レオンだ。ヒカルはレオンの剣の一太刀を避けた。続け様に首を狙おうと二度、三度剣を振り続けた。
やっぱ、バケモンだ… 眼の力で動体視力がかなり上がっているとはいえ、躱すのに精一杯で全く隙がねぇ…
ここは…アレ使うか…
ヒカルは、レオンの攻撃に対して動きをとらなかった レオン「何!?」レオンの攻撃がヒカルの身を掠めた時にヒカルの体は陽炎のように姿を消していた。すかさず、レオンは空を舞い、警戒態勢に入ったがヒカルの姿が見当たらない
レオン「どこだ…?」ヒカル「ここだぁ!」レオンが声のした方向に豪速で剣を振る が そこには何もなく、気づいた時には裏にヒカルが回り込んでいた。レオン「しまった!」ヒカル「喰らえ!!!俺のバーニングヴロウをな!!」
完全に決まった− そう思われた矢先 ヒカルの拳は剣により止められていた。
レオン「なるほど…そういうことか」ヒカルは一旦距離を取った。
どういうことだ…今のは完全に当たってたはずだ… それにレオンの剣が燃えてねぇ…ん?なんだ拳が濡れ…まさか!!
ヒカル「おい!レオン、お前も眼の力が使えるのか!?」風が流れたのちにレオンが答えた
レオン「あぁ…そうだ。俺も眼の力が使える。」




