第三話 貴方を見ている
ヒカル「大分歩いてきたが一体何処に着くんだ…」俺は森の中にいる…
動物たちはなだらかに暮らし、川の心地の良い音が聞こえ、
美しい日差しが森を照らしている…
「じゃあ、ないんだよなぁ!」
俺がここにきた理由は当然自然を楽しむわけでもなんでもなく
“聖女”を探しにやってきたんだ。
ー2時間前 アルバート「その聖女は苦しむものを救い、人々に光をもたらすと言った話がございまして。なんでもその方は青き眼を持っていると…」「身も蓋もない話ですが、探してみるのもよろしいかもしれませぬ。」
ヒカル「…場所は?」アルバート「分かりませぬ…少なくともこの一体の何処かにいるかと言う話は…」
情報があまりにも少なすぎるが一縷の望みでもコトネが救えるなら…かけてみる価値はある…
ヒカル「わかった!俺その聖女を探ー そう言いかけた瞬間、俺の頭に断片的な映像が流れてきた。
ぼやけた白い髪、自然の中、洞窟、教会、青い眼
「…アルバートさん、俺わかったかもしれない。探してくる…!」アルバート「ヒカル様!」
ーって感じですぐ家を出て闇雲に森を歩き回ってんだがそんな簡単に見つかるわけないよなぁ…
ん?さっきまで日差しが差し掛かっていたのに夕日に変わっている… 歩きすぎて日が暮れたのだろうか?すると探していた洞窟が坂の下にあるではないか!「今日はついてるぜ!」俺は坂を急いで降り、洞窟の中に入った。
え、突然俺の意識は闇に沈んだ…
目を覚ますと教会の様な場所にいた。カーペットは青く、無数の窓からは眩しい光が差していて、階段の先にある玉座の様なものには強く白い光が集中している気がする…白い光が集中している場所に道を開けるように祈りを捧げているものが複数人いた、年齢も性別も肌の色もバラバラな人々だった…
「来ましたか…」玉座の向こう側から誰かが来た。探していた聖女そのものだった。彼女は細身で髪は白くて長い白いワンピースを着ており、全身白だったのだが神聖で優しい雰囲気を放っていた。
ヒカル「あんた、神様かなんかなのか?」思わずこう言った。「だったら良かったんですけどね…」儚げな表情でそう返された。
「軽く自己紹介を私はシーナと申します。」「ああ、俺はヒカルよろしく」少女と握手を交わしその手は存在感とは裏腹に小さい手だった。
シーナ「目的はすでにわかっています。救いたいお方がいらっしゃるのでしょう?」え?なんで知ってるんだ…?「ですが、今私の真実の力は弱まっているため目的は果たせません。」え?真実の力ってなんだ。いや、眼の力ってそもそもなんなんだ?いや、それよりも…!
ヒカル「え!?なんでだよ!あんたは人を救うことができるんじゃないのか!?」シーナ「申し訳ありません…ですが、コロシアムの優勝賞品…再生の奇跡はご存じでしょうか、それが有れば彼女を助けることができるかもしれません。」
ヒカル「再生の…奇跡?」シーナ「それには眼の力を著しく強化する力があります。」「それが有ればきっと彼女も…」ヒカル「ちょっと待て。なんで俺のことや色々なことを知ってるんだ?」シーナ「説明すると長くなります。時間がないので今回は話せません。」少女はその場から立ち去ろうとした。
ヒカル「おい、ちょっと待て…」気づくとさっきの洞窟にいた。「さっきのは一体…」「もし…」どこからともなく声がした。「もし、私を信じ、彼女を救いたいならコロシアムを勝ち抜いてください…」
コロシアム…それは最終的にレオンと戦うことになる…だがもう俺に選択肢はない…!




