第七話 親友との出会い
ヒベヨシに連れられ、地下世界ジャパンに来たノベナガ。
試験への緊張で気が動転するが、ヒベヨシは冷静に分析する・・・
ヒベヨシがそう言ってから少し立つと、エレベーターは地面へ到着した。ノベナガは外へ出て驚いた。なんと、周りに一千人規模の人がいた。しかも、ほとんどがノベナガと同世代ぐらいだ。「え、まさかこの人たちも・・・」「あぁ、東京舎の受験生だ」ノベナガは急に足取りがフラフラしてきた。まさか?この人数と?受験で戦わないといけないの?緊張と焦燥感で吐きそうになっているノベナガとは反して、ヒベヨシは冷静に周りの受験生を観察していた。吐く寸前のノベナガにヒベヨシはぼそっと言った。「ノベナガ、周りをみると運動は不得意そうな子が多い。だから、筆記(一次)で点が取れなくても実技(二次)で巻き返せるかもしれないぞ」「へ?」ノベナガは吐き気が一気におさまった。確かに。周りには勉強は得意そうだが、少し動いただけでハアハア息を切らしている人もいた。「それに、筆記でも集中力という体力が必要だ。いくら頭が良くても集中が続かないかもしれないぞ。」それを聞いたノベナガは、緊張を体から追い出した。もはや恐れるものは何もない。その横でヒベヨシはぼそっと「作戦大成功!」と言っていた。そんなことも知らないノベナガは周りが動き出したことに気づいて、急いでそれに続いた。みると、周りの保護者も、ヒベヨシも、なぜか付いてこなかった。すると、ヒベヨシが「バスに乗れー!」と言った。ジャンプして前の方をみると、大きな四階建てのバスが五台停車していた。後ろを見たが、ヒベヨシのことはもう見えなくなっていた。とにかく、周りが列になっていたので、ノベナガも列に並んだ。
並んで待っていると、列がバスの方に動き出した。ノベナガもそれに続く。少しすると、ノベナガの番になった。列の脇に立っていた男性に「4番」の紙を渡された。「席とかって決まっているんですか?」と聞くと、答えは「ご自由に」だった。とりあえず4番目のバスに乗車してみた。すると、中は壁とドアと階段しかない、殺風景な空間だった。どうやら個室になっているようだが、中があまり見えない。どこかに入ろうかと思うが、どこに入れば良いかわからない。仮に合格できて、ここでこれからの友達が決まってしまうとしたら?ノベナガは考えた。とりあえず、誰か知り合いを探そうとした、まさにその時。
「ノベナガじゃん!」声がした方を振り向くと、そこには、ノベナガと同じ村在住で、小学校時代にノベナガを支えてくれた親友のイエヤーズがいた。思わぬ友との再会にノベナガは安堵した。良かった。知り合いが一人でもいる。すると、イエヤーズはノベナガに「ここの部屋でいいんじゃない?」と言い、ノベナガに手招きをした。ノベナガも付いていった。ノベナガはイエヤーズをみた。絶対ノベナガと同じで「この部屋に人がいませんように」と思ってる。しかし、いざ、ドアを開けてみた途端、驚愕した。先客が二人もいる。恐る恐る部屋に入ると、その二人がこちらを見た。そして、顔を見合わせた後、こういった。「君たち、名前は?」




