表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

第六話 地下世界

試験当日、緊張が出てきたノベナガ。

会場に着いたと思ったが、そこはただの空き地だった。

しかし、ヒベヨシは空き地に近づき、何かを言っている・・・

午前三時五十分、ノベナガは出発した。会場は東京の郊外の山の中にあるらしい。今更「なぜ山の中に?」などと言わない。どうせなんだかんだ理由を用意しているからだ。しかし・・・。家で勉強していた時は緊張など微塵もなかったが、いざ、本番となってくるとこうも緊張するものなのか。ノベナガは「抜かりはない!」と思いながらも、心ではとても緊張していた。ここで落ちたら、ノベナガが思い浮かべている中での最悪の結末になる。ノベナガは「不合格」という言葉を頭の中から引っ張り出そうとするが、なかなか離れてはくれない。家で過去問をやった時は、「いける」と思っていた。しかし、今のノベナガは悩みに悩んでいた。ここで悩む暇はないとはわかっているが、どうしても「今緊張してる人間にそれ言うなよ!」と思ってしまう。まあ、いっているのは自分だけど。そもそも、筆記試験の後すぐに実技試験がある。かなりハードだ・・・。そんなことを思っているうちに「目的地についたぞ〜」とヒベヨシに言われた。「受験会場のこと目的地って、まあいいか・・・」そう言って車を降りたノベナガは言葉を失った。

 そこはいわば盆地と言われるところだが、その山の中の小さな窪みのような場所に、車は止まっていた。一瞬、試験会場はもっと山奥で、ここからは歩きで行くのかと思った。現に周りに数台車が止まっているし。でも、周りは明らかに獣道ばかりで、安全性がある国道はずっと向こうだ。ノベナガが突っ立っていると、ヒベヨシは窪みの真ん中の空き地の方に近づいていた。ノベナガは何事かと思い、ヒベヨシを目で追った。ヒベヨシは空き地の真ん中に来ると、地面を4回手で叩き、それからこう言った。「外部受験生の受験への参加」ノベナガはヒベヨシが何をしようとしているかわからなかった。しかし、その答えはすぐにわかった。

 次の瞬間、地面から銀色の物体が突き出てきた。それは、見たところエレベーターのようだった。不思議なことに、先ほど土の中から出てきたにもかかわらず、エレベーターには土一つ付いていなかった。ノベナガが固まっていると、ヒベヨシが「来い」と会釈した。ノベナガはついていき、エレベーターの中に入った。中は普通のエレベーターとさほど変わらなかったが一つ、大きな違いがあった。それは、エレベーターのボタンが一つしかなかったことだ。そのボタンには英語の大文字で「J」と書かれていた。「これから少しの間潜るぞ」そうヒベヨシが行った時、エレベータは壁が銀色から床と天井以外透明になっていた。外の風景は土、土、土、だった。「会場ってまさか、土の中なの?」そう聞くが、ノベナガは首を横に振るだけだった。ノベナガは外の景色のさほど変わり映えしない光景に飽き飽きしていた。というか、この間に勉強しておかないと!そう思い、リュックに手を伸ばした。

 その時、外の景色が真っ白になった。そのしろは、光の白色だ。あまりの眩しさにノベナガは必死で目を覆った。「外を見てみろ」ヒベヨシの声が聞こえる。恐る恐る外を見ると、ノベナガは言葉を失ってしまった。

 そこは、日本のはるか上空だった。地下に潜っていたはずなのに、どうして。ノベナガはあまりの衝撃に倒れそうになった。自分を落ち着かせ、もう一度外を見る。何度見ても、そこは日本だ。富士山もある。でも、何かがおかしい・・・。よくよく目を凝らしてみると、ビルはやたらと高いし、なんだか、空中にも道路が建っている。

 「ここに戻るのは、久しぶりだな・・・」そう、ヒベヨシが言った。「ここは嫌いな時はあるが、帰ってきたとなると、なんだか懐かしいなぁ・・・」ノベナガはしばらくその光景に魅入っていたが、普通に考えてこの状況はおかしい。「おじさん、ここってどこなの?」そう聞くと、ヒベヨシは微かに笑みを浮かべていた。そして、こう言った。

 「ようこそ、地下世界。ジャパンへ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ