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第三話 預け親の反対

手紙を受け取ったノベナガ。すると、預け親であるヒベヨシがノベナガに襲いかかり・・・?

手紙の内容を見てみると、ほとんど何も書かれていなかった。一瞬イタズラかと思ったが、ここまで手の込んだイタズラをする人がいるのだろうか?それにこの集落にはほとんどお年寄りしかいない。先ほど手紙を玄関先に投げ入れてからすぐ逃げれるほどの人はほとんどいない。そもそも大の大人がそんなイタズラをするだろうか?なんだか腑に落ちない。しかし、イタズラじゃないにしたって、ジャパン武将育成専門学校なんて学校は聞いたことがない。後ろを振り返ると、ヒベヨシはまだ固まっていた。もう一度手紙を見てみると、自分が手紙の内容を全く見ていなかったことに気づいた。しかし、そんなことはこの後の衝撃に比べれば大したことはなかった。手紙にはこう書かれていた。

 「岐阜県延奈愚ていなげ町ノベナガ様へ ジャパン武将育成専門学校東京舎への入学者選考への参加権を授与することをここに証す 2021年3月25日 ジャパン武将育成専門学校東京舎学校長サナガ」

 空いた口が塞がらないとはこのことか、とノベナガは思った。もう一度手紙を見てみるが、何度見ても、そこには、「入学者選考」と「参加権」の二つの文字があった。こんなに衝撃を受けていながら、ノベナガは冷静だった。ヒベヨシが中学校のことを心配そうにしていたのはこのことか、とノベナガは思い、ヒベヨシの方を向いた。ヒベヨシは先ほどと全く同じ位置で静止していた。しかし、ノベナガがこちらを向いているのを見て、我に帰ったかと思うと、次の瞬間ノベナガが持っていたあの手紙を取り上げようと強引に手を伸ばした。一方ノベナガは、これをとても重要な紙だと思っていたのと、急にヒベヨシが凶暴になったことへの混乱により、取り上げられまいと必死に逃げ惑った。家の中で二人は走り回った。ノベナガは2階の自分の部屋に入って鍵を閉めようとしたが、ヒベヨシに先を越されて、階段の前に立ち塞がれてしまった。仕方なくノベナガは鍵をかけれるところに逃げようと洗面所へ駆け込んだ。扉に鍵をかけ、床にへたれ込んだが、その時廊下の方から走る音が聞こえた。その時、ノベナガは思い出した。洗面所には二つ扉があり、一つはリビング、もう一つは廊下につながっているのだ。今ノベナガが閉めているのはリビング側の扉、つまりヒベヨシは廊下側のドアから侵入しようとしている。ノベナガは急いで立ち上がり、廊下側のドアを閉めた。しかし、ヒベヨシはそう簡単には諦めなかった。なんとドアに体当たりをしてきているのだ。ヒベヨシは一度思い一撃をドアに当て、もう一度突進しようと必死に呼吸している音が聞こえる。もう一度当たったら・・・!そう考えたノベナガはある考えを思いついた。そんなことは知らないヒベヨシはもう一度突っ込もうとしている。時間はない。ノベナガは鍵を開け、ドアノブを握った。手汗でドアノブを離さないように注意しながらドアノブを握りしめた。

 次の瞬間、ヒベヨシはドアに向かって走り出した。ノベナガは思いっきりドアを開けた。ヒベヨシは突進の力に身を任せていたので、ドアを通り過ぎても止まれなかった。止まれなかったヒベヨシは思いっきり壁に激突した。ヒベヨシは倒れた。一瞬、ノベナガはヒベヨシがまた立ち上がって襲いかかってくるのではないかと思った。でも、そうはならなかった。ヒベヨシは起きあがろうとしたが、あまりの痛さに立ち上がれていなかった。

 ノベナガは少し考えたあと、こういった。「なんでさっきあんなことをしたんだ?手紙が破れてしまうところだったんだけど・・・」そう言いながらノベナガは手紙を握りしめた。手汗で少しふやけてはいたが、まだ破れたりしてはなかった。ヒベヨシは少し返事をためらった。しかし、意を決したような目をしてこういった。「それは、お前をあの学校に行かせたくなかったからだ」

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