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第十話 恐怖の実技

実技を控えたノベナガ達は、狂気じみた実技の内容を教えられる・・・

ノベナガはバスに乗り込んでから一言も喋らなかった。他三人も、沈黙し続けていたが、ようやくイエヤーズが口を開いた。「終わった・・・のか?」そう言われた時、張り詰めていた糸が切れたかのように、みんながため息をついた。それからは、「国語の最後の作文。自信がない」「武田信玄が上杉謙信と戦ったのって、川中島の戦いだっけ?」などといった試験に関する話しかしなかった。ノベナガは、早く家に帰って休みたかった。でも、この後にはまだ実技試験がある・・・。筆記は、算数と社会には自信がある。でも、国語は最後の作文ができなかったし、英語は過去形の文のところがちんぷんかんぷんだった。「実技、なんだろうな・・・」ふとしたように、チョーソカベが言った。そう言われて、ノベナガは実技のことしか頭に入らなくなった。外を見てみると、バスはまた山の中に戻っていた。三十分後も、バスは山の中を走っていた。それに、さっきからずっと坂を登り続けている。耳がキーンとなるのを感じながら、ノベナガ達は実技のことを話し続けた。

 「試験会場に到着しました。」そう、アナウンスが流れた。次の瞬間には、荷物をまとめ、みんな部屋から出て行く準備をしていた。窓を見ても、シャッターのような物が降りていて、外は見えなかった。「うわ通路はすごい人混みだぞ!」そう言われ、部屋の外を見てみると、さっきの言葉通り、すごい数の人だ。「早く部屋から出ないと、バスが出発しちゃうぞ!」そう、タラウジが叫び、四人は急いで通路に飛び出した。「もご、もごご・・・」「足が・・・うっ!」「みんな、押しつぶされるぞ・・・」そんな声が聞こえたノベナガもまた、人混みの中でメチャクチャにされていた。体が壁に押し付けられて、もう、無理・・・。そう思った瞬間、ノベナガはバスのドアから外に飛び出していた。ドサッっという鈍い音と共に、ノベナガは地面に仰向けになっていた。周りをみると、他の三人もノベナガ同様、仰向けに倒れていた。ようやく立つことはできたが、まだ身体中が痛い・・・。その時、アナウンスが流れた。「受験生の皆さんは、試験官の方にお集まりください。」人混みが前に動くのがわかる。その時、前の方から「うわぁー!」「なんだ、これ!?」という叫び声が聞こえた。あわててノベナガが前に行くと、目の前の異様な光景に、ノベナガも叫びたかった。なんと、試験官の後ろは断崖絶壁。しかも、ロープも、何も、貼られていない。すると、左の試験官がノベナガの前にいる試験官にメガホンを渡した。

 「これより、二次試験の説明をします。よく聞いてください。これから、皆さんには、この崖を、馬に乗馬して降ってもらいます。馬は、左の納屋に、人数分います。降り始めるのはこれから十分以内ならいつでも良いです。では、二次試験、開始!」そう言われた時、誰も動かなかった。ノベナガは、今言われたことに唖然とし、開いた口が塞がらなかった。馬を使って?この下が見えないような崖を?駆け降りる?ノベナガは動けなかった。

 その時、白髪の男が、納屋に向かって駆け出した。次の瞬間には、周りも納屋に向かって、駆け出していた。結局は、ノベナガも納屋に向かうことにした。納屋は近くで見るとすごい大きさで、中には、馬がたくさんいた。ノベナガは馬に特段詳しいわけでもないので、近くにいた耳に大きな傷のある茶色の馬を選んだ。この馬は、他の馬よりも、安全な気がしたのだ。ノベナガはなんとかして馬にのり、納屋から出た。しかし、いざ崖の前まで来ると、恐怖で動けなくなった。すでに何人か崖を降り始めている。でも、やっぱりノベナガにはこの崖を降りる勇気なんてない。そう思い、ノベナガは体を馬の顔の反対に向けて、尻尾の方から降りようとした。

 しかし、そんなことをしたせいで、馬は驚き、興奮してしまったのだろう。なんと、崖の方に走り始めたのだ。「え、なんで!」そう言った時、馬は後ろ向きに乗馬しているノベナガを乗せて崖を駆け下り始めたのだ。「い、いやだ・・・」そう言おうとしたが風が吹き荒れていて、まともに声を出せない。馬は、ほぼ直角に開けを降りているようで、ノベナガの視界には先ほどまでノベナガがいた崖の上しか写っていない。その時、視界の端に、森が見えてきた。地上が近い。そう思った時、ノベナガは馬から放り出されていた。ノベナガは空中を舞う。木にぶつかる・・・。ザザ、ガサッ、ドス、ドサッ・・・。気づくと、ノベナガは太い木の枝の上に着地していた。どうやら、地上から十メートルの位置で空中に飛び出したノベナガは、木の葉っぱなどがクッションになり、死にはしなかったようだ。だとしても身体中ぶつけまくったせいで、枝から降りれずにいた。その時、枝がメキメキという音をたて、折れた。ノベナガは木から落ちていく・・・。ドサッっという音が鳴りノベナガは目を開ける。運のいいことに、ノベナガが乗っていた枝は、高さ二メートルほどのところにあり、落ちても大事には至らなかった。しかし、連続で落ち続けたノベナガの意識は、遠くに行ってしまった・・・。

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