ep21-7 進化しない男
センターレイクに向う馬車の中は、険悪な
空気に包まれていた。
それも、出発の際にナギとミアが揉めた事に起因
していた。
ナギとグレンのところにミアが乗るといい出したが
2人乗りであるという話をすると、
ナギは馬車に乗ればいいとミアが主張したことに
よりまた喧嘩が始まった。
そこで、エルが、
「面倒だから、さっさとジャンケンでもなんでも
いいから決めろ。」
と言って結果、ナギがジャンケンに負けた。
それで馬車の中の空気が悪くなっている。
ナギの対面は、クリフとドリが過緊張の状態で
硬直している。
ナギの両端をツイストとノアがなだめる様
している。
ナギが、クリフとドリを睨みつけると、
「お前等、なんか進歩したのか?」
と、問われたクリフは頭を掻きながら
「いや〜、特にないですね。」
と苦笑いで言った。
ドリは、
「私は、カレンさんの協力の元武具を作成中
です。」
と言った。
ナギは頷いて、クリフを見ると
「お前、人外の餌になれ。」
と冷たい表情で言った。
「いやいや、ナギ。それはあまりにも酷いぞ。」
ナギが、ツイストを睨んで
「役に立たないやつがいても、仕方ないだろ
餌なら少しは役に立つ。」
クリフが下を向きながら、
「王女がそれで良ければ、喜んでやらせて
頂きます。」
と言った。
「おい、おい。クリフ、何言ってんだよ。」
クリフは頸を振って、
「役に立ってないのは事実さ、仕方ない。」
「ナギ王女、言い過ぎでは?」
と、ノアが注意するが、
「役に立たないやつは当然、そうなる。」
と言って意見を改めようとしなかった。
ドリは落ち込んでいるクリフに武具を手渡した。
「なんだこれは?」
「知らん?お前に頼まれたものだ。」
ドリが手渡したのは、弓と矢が描かれている
大きな盾だった。
「これで俺にどうしろって言うんだ?」
ドリは肩を竦めて、
「そんなの、自分で考えろよ」
と、言った。
盾の裏に何か書いてあった。
『黒き陰から、エルフの力導き、王を守護せん』
「エルフの力を導く?オレが?嘘だろ。」
クリフは首をひねりながら、盾を眺めていた。
グレンはボーッとしながら、操縦桿を
握っていた。
操縦桿自体は飾りでなにをするものでもないが
とりあえず握っていた。
操縦自体は、自動操縦なので心配する必要はない
ので寝ていてもいいが、
念の為、周囲を警戒していた。
「グレン、私もグレン君って呼んでいい?」
グレンは、戸惑いながらも、
「あ〜、構わないよ。」
と言うと、ミアが喜んでいた。
ま、喜んでいるからいいけど何がいいのかな?
と、グレンは疑問に感じていた。
「グレン君は、私のことどこまで知っているの?」
グレンは考え込んで、
「う〜ん、最初の試練がミアさんのいる城を
襲撃した時と、次がミアさんを救い出した時
の奴だから…そのくらいかな?」
と言うと、
「スモールレイクでの戦いのみってことね。
まぁいいわ。赦してあげる、また記憶喪失
になったと思えばなんともないわ。」
エルとカインとカレンはモニタを見ながら
センターレイクについて話し合っていた。
「精霊達の言う通り、人外が取り憑いている
ようです、それもとびっきり巨大なやつが。」
と、カインが言った。
カレンがモニタを指差し、
「こっちも気になります。恐らく聖域の勢力
だと思いますが、数が多いです。」
「前も、数は多かったが大したことは
なかったけど。」
カレンは頸を振って、
「ダメよ、カイン君。何回も同じミスは犯さない
と思った方がいいわ。」
カインは、カレンを見てため息をつき、
その呼び方やめて欲しいんだよな。
と、思っていた。
エルは、片隅に座っていた、へイズを見て
こいつ、全然進歩も進化もしね〜な。
「え?僕何かしたかな?」
エルは頸を振り、
「存在するだけで、腹が立つ。」
と、言った。
「それはないよね。」
と、へイズは苦笑いして言った。




