ep18-3 迷いと決断
カインは、グレン達に何も言うことなく、
王城都市に向うことになった。
カインは王城都市に着くまでずっと悩んでいた。
闇落ちした精霊は、恐らく今までて一番手強い
相手になる。
そして精神に作用するような術を使ってくる
可能性が高い…全員で行くのはリスクが
高すぎる、誰を行かせるべきか。
コン、コン。
外でナギとツイストが騒いでいる。
カインの乗り物を叩いて、早く出てこいと
言っているようだ。
「やれ、やれ。また文句言われるのか。」
と、言ってカインは乗り物から降り、皆んなが
いるところまで行った。
カインは皆んなの前で、咳払いをして、
「コホン。ここまで来て悪いんだが、入る
メンバを絞りたいと思う。」
と言うと、ナギが
「ちょっと待って、私は行くわよ、
何言われても。」
と、釘を刺してきた。
そうくるのはわかっていたが…
「今回については、例外は認めない。」
と、カインはキッパリと言いきった。
「で、誰が行くんだ?」
グレンが落ち着いたトーンで聞いてきた。
「僕自身も決めかねていて、接点が少ない
レムに決めてもらうことにした。」
一瞬ざわついたが、特に反対意見は出なかった。
レムがニヤリと笑い、
「ソレじゃ、発表するぞ。人員は3名。
まずはグレン。」
ここは、全員納得という感じだった。
「次に、ディー。」
「え?私?」
選ばれた本人が一番ビックリした様だ。
この時点でナギは既に青ざめていた。
「次に、ツイスト。以上。」
レムは、完璧だったという感じでドヤ顔に
なっていた。
ナギが、今にも泣きそうな顔で、
「なんで私はだめなの?」
と言ってレムに抗議した。
レムは、チラっと横目で、
「そういうとこがだめ。」
と言って、一蹴した。
「な、そういうとこって!!何!」
ナギは、意味が分からないと言わんとばかり
に怒鳴った。
レムがナギを指差して、
「今回の敵はそういう感情の揺れを巧みに
ついてくる相手なの!あなたじゃ恰好の
餌食よ。」
と言って、カインに肩の上に乗った。
ナギは意気消沈して、その場に座り込んだ。
グレンは、レムのところに行き、
「地下のなにかというのは、さっき言った
類の攻撃をしてくるってことか?」
レムは頸を振って
「類の攻撃も。だ。」
と言った。
グレンは苦笑いし、
「その攻撃の対処法とかあるのかな?」
レムは頸を振って、
「そんなものあれば、わざわざ3人に
限定する必要がないのよ。」
グレンは肩を竦めて、
「わかった。」
と言って、ディーとツイストに声を掛けて
王城都市に入って行った。
ヘイズが、レムに向かって、
「私を選ばなかった理由は何だ?」
レムは、苦々しい顔で
「いざって時に必要だからね、アンタは。」
ヘイズは笑って、
「以外と評価されててびっくりだよ。」
王城都市に入るとすぐにグレンに異変が起きた。
ズブズブと、地下に引きずりこまれていく。
「くっ!!」
グレンは藻掻いたがどうにもならず、
ツイストやディーも必死に引っ張りあげたが、
どうにもならなかった。
ツイストは、街の人々に向かって叫んだ。
「なんなんだ!この街はどうなってるんだ!!」
老人がツイストの肩を叩き
「ここでは、あまり感情を出さないほうが良い、
であれば楽に暮らせる。
いやであれば早めに出ていくことだ。」
ツイストは頷いて、ディーと一緒に街を探る
ことにした。
ツイストは食事をしながら、カインに連絡
を取った。
リーン♪リーン♪
カインは緊張した表情で通信機を取った。
「ツイストか、どうした?」
『グレンさんが地下に引きずりこまれた。』
カインは思わず天を仰いだが、
「グレンのことだ、問題はない。グレンの
ことより王城を探ってくれ。」
『了解だ。』
カインが通信機を置くと、目の前に怖い顔の
ナギが立っていた。
「先生に何かあったの?」
カインは頸を振って、
「少しはぐれただけだ、問題はない。」
ナギが疑いの目で
「本当に?」
とカインに聞いてきたが、
「お前も奴の力は知ってるだろ、大丈夫に
決まっている。」
と、断言した。
ナギがため息を吐いて立ち去ると、レムが
「本当に平気だと思う?」
カインは頸を振って、
「僕にも正直わからない。」




