ep16-5 港町消滅
グレン達は夜陰に紛れて、カイン達と合流
した。
カインは、大きなため息をついて、
「皆さんが、揃ったのでなんでこんなこと
になったのか聞いてもいいですか?」
ナギが先制攻撃をする。
「私達は悪くないわ。」
リンクも防御ラインを張る。
「我々は、どちらかというと被害者だ。」
ツイストがポツンと放置される形になった。
「え?ぼくが悪いって言うの?
それは、ちょっと酷いんじゃないのかな?」
カインは頸を振って、
「申し訳ないですが、僕には酔っぱらって
計画を台無しにしたとしか思えません。」
と、断罪した。
「で、これからどうするつもりですか?」
と、カインが半ば呆れた表情で言った。
グレン考え込んで、ヘイズをチラっと見て
「なんかあります?」
ヘイズが、虚を突かれた表情で、
「わ、私ですか?」
ヘイズは戸惑いながら持論を展開した。
「全滅というのも選択肢ですし、全救済も
ありですが、全救済より全滅の方が楽で
メリットが多いですが後味が悪いといった
ところでしょうか?」
「俺は出来れば、誰も傷つけたくない、
楽だとかメリットで全滅は選択できない。」
リンクが、グレンに対し意見した。
「しかし、グレン。ここを守るために戦力を
割くのか?それには賛同できない。」
カインは頷いて、
「君等の意見はわかった…。全滅は嫌だけど
面倒は見たくないけど、放置もしたく
ないと…全く、我儘の極みだね。」
と言って、落胆してレムをみた。
「なんか意見ある?」
「全く、揃いも揃ってバカばっかだね。
ケケケ。」
カインは頭を抱えて、
「意見…。」
「氷漬けにして海に沈めちゃえば?ケケケ。」
グレンがレムの首根っこを抑えて
「そんな事が可能性なのか?」
レムはコクコクと頷いた。
「じゃ、それでやっちゃうか。
その代わり海に沈めるんじゃなくて
街ごと地面の下に沈んでもらうよ。」
グレン達は街の外に退避して、カインとレム
に後は任せた。
グレン達は高台で街の様子をみていたが、
しばらくすると、
港町に白い霧のようなものがたちこめた。
「ただ寒くなるだけなら、みんな凍死しちゃ
うんじゃないのかな?」
と、ツイストが呟いた。
確かに、コールドスリープなんかは
瞬間冷凍のはずだ。
と、思った次の瞬間、街は一瞬にして氷の
塊の中に封じ込められたみたいになった。
「おお!すごっ。」
ツイストは1人で感心していた。
突然地面が大きく揺れだした。
港町の真ん中あたりの地面に亀裂が入り、
その亀裂が段々大きくなり、街が地面の下に
落ちていった。
港町が落ちたのを見届けるように、
地面の亀裂が塞がっていき、徐々に元に戻って
行く。
「グレンさん…聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「こんなことってどうすればできるん
ですか?」
ツイストの疑問は的を得ている。
俺もそう思う。
ほとんど神の領域だ。
「俺も同意見だ。」
カインが疲れた顔でやって来た。
「終わったぞ。」
「あれ、どうやったんだ?」
カインは俺を睨みつけて、
「秘密だ。」
と、一蹴されてしまった。
カインが思い出した様に、
「言うのを忘れていたが、悪い知らせだ。
お母様達と音信不通になった。」
ツイストが慌てて、
「ノアともか?」
カインが鬱陶しそうに、
「ちゃんと、達と言ったはずだが。」
「調べた結果、地下街が崩落したらしい。
現在わかっているのはそこまでだ。」
グレンがカインを見て、
「位置反応は?」
カインは目線を外して、
「ないな。」
グレンは、ニヤリと笑い
「じゃ平気だろ。」
ナギが、グレンに飛びついて、
「次、どこに向かいますか?」
「北だ。スモールレイクの人たちが気になる。」




