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英雄達

 海斗がアイテムボックス内でしっかりと休養を摂ると、窓から見える外は夕方だった。コンコンコンと部屋をノックされる。そこにはホテルのボーイがいた。


「お休みのところ申し訳ございません。先程領主様からお電話があり、是非とも会いたいと言う言伝をお伺いしましたが、如何しましょうか」


 海斗はちょうどこの街の領主にも挨拶しておきたかったので、快く承諾した。海斗はアイテムボックス内から正装用の服を取り出して、外に出たがっていた【魔王】カルラを連れて外に出た。 


 外には大勢の人々がホテルに押し寄せていたので海斗は【浮遊】エルデに頼んで空から行くことにした。


 テレビのリポーターの女が空にカメラを向けさせる。


「見てください!【騎士】小林海斗と謎の黒のドレスを着た美しい女性が空を歩いています。我々とは一線を画す優雅さですね!」


 テレビのスタジオからリポーターに呼びかける。


「サツキさーん。海斗さんはどちらに向かわれると思いますかー?」


「はい、方角から見て領主の屋敷に向かっているのではないかと予想されます!果たしてどんな話し合いが行われるのか見ものですね!」


 テレビのスタジオでは小林海斗特集が組まれていた。


「さて、今日の海斗氏は【水帝】ウェンズデイさんではなく、新しく別の女性をそばに連れていますね。解説の受付嬢さん、どう思われますか?」


「まさに、女の敵ですねー。純情そうな顔してやることやってるんじゃないですか?」


 ギルド『ヴァルハラ』の受付嬢が辛辣な意見を飛ばす。テレビのMCは長い棒で海斗のアイテムボックスから出てきた人物を矢継ぎ早に紹介していった。


「今、【人徳】小林海斗のアイテムボックス内で最強格にいるのは間違いなく、【一撃】、【剣神】、【全能】、【怠惰】、【虹帝】、【村人】、【人徳】そして新たに追加された【独行】丈一でしょう。


 その他の英雄達を整理すると【雲水】【海王】【狩人】【鬼槍】【狂気】【激烈根性男】【嫉妬】【次元】【瞬身】【消滅】【赤燐】【千影】【水帝】【晩王】【万化】【反射】【封印】【浮遊】【魔王】【魔眼】【魔人】【魔法陣】【迷彩】が戦闘要員として存在しています!


 また酔っ払った【晩王】ヴラトによるとその他サポートとして名前が上がっているのは【歌姫】【叡智】【新聞王】【創造】【不老】【深緑】【聖女】【羊飼い】【分裂】【神喰】【久遠】【賢王】【建築王】【交渉人】【農業】。


 これら全員を合わせて四十八名となります。なんと小林海斗はまだ実力の半分も見せていないことになります!これぞ脅威の男、小林海斗です!」


 海斗とカルラは領主邸にたどり着いた。正面から入ると中から使用人がずらりと出てきて、海斗達を歓迎する。


 中に入ると、煌びやか照明の元で立食パーティーが開かれていた。パーティーの参加者達は海斗達が部屋に入ったことに気づくと、拍手で出迎えた。


 海斗はカルラの手を取って堂々と、贈られた拍手を受け取った。向こうから領主と思わしき正装の男が若い娘を連れて歩いてきた。


「君が小林海斗か!生で見ると凄みがあるなやはり」

 海斗は挨拶する。


「領主様とお見受けしますが、こちらは何のパーティーで?」


 領主は飲んでいたシャンパンを噴き出す。


「あ、いや、これは失礼。君のためのパーティーだよ。小林海斗君」


 海斗は驚いて周囲を見渡す。誰も彼もが海斗の一挙一動に興味津々と言った様子だった。海斗は感謝の言葉を述べる。


「わざわざ僕のためにありがとうございます」


「何、みんな酒が飲める口実を探してるだけに過ぎない。それで、話とは終末の日(ラグナロク)のことかい?それとも朧月かな?」


 海斗は話の内容を言い当てられてヒヤリとする。


「その通りです。領主様」


「領主様はやめてくれ。築地と呼んでくれたらありがたい。君の元にもエセ神が現れたんだろう?私の元にも現れたよ。これでも405階までは潜っていてね」


 海斗は終末の日(ラグナロク)について尋ねる。


終末の日(ラグナロク)はいつなんですか?」


「正確な日程は分からないがもう三ヶ月を切っているという話がある。私たちは情けないことにもう丈一君や、君に頼るくらいしか解決策はないんだよ」


 海斗は終末の日(ラグナロク)がそこまで近づいていたことと、領主でさえ手の打ちようがない状況にいることに驚いた。


「朧月の存在も無視できなくてね。1000階を見込まれた優秀な攻略者の青葉が次々と摘まれているんだ」


「朧月の目的はなんでしょうか?」


 カルラが尋ねる。


終末の日(ラグナロク)を早めること、つまりはこの惑星を滅ぼしたいんだろう。陰気な奴らだからね。何を考えているのか知らないが」


 領主がそう言ってグイッと残っているシャンパンを飲み干すと、海斗を全員に紹介しようとした。その矢先に、部屋の扉が激しい音を立てて開けられる。


「そ、速報です!カナルガナル共和国が滅ぼされました!」


 汗だくの男が使用人から水を貰い、一口で飲み干してから言った。


「突如現れたSSSランクモンスター黒龍王ディアルブレードによってカナルガナル共和国は蹂躙されて、今迷宮都市に難民が押し寄せています!」


 海斗と築地は顔を見合わせた。


「朧月の仕業の可能性が高い!400階層以上の攻略経験があるものは救助に向かうぞ!」


 海斗とカルラは一足早くアイテムボックス内に入っていた。海斗は【賢王】ギルガメスに難民の受け入れを要請すると【瞬身】ミナトにお願いをして難民の元に転移した。


 突如現れた海斗に難民達は驚く。子供の鳴き声が辺りに響いている。全員、身も心もボロボロのように見える。


「なっ、なんだ!お前は!」


 海斗は努めて平静な声を出して難民達を落ち着かせる。


「僕の名前は海斗!【騎士】海斗だ!」


 難民達が騒めく。


「【騎士】海斗って新聞で見たことあるぞ!」


「助けがきたのか!?」


 難民たちの目に希望の光が灯る。海斗はできる限りの笑顔で言った。


「そうだ!君たちを助けにきた!もし君たちが路頭に迷っているのなら僕のアイテムボックスの中に入るんだ!中には食料と住む場所、それに服だってある!」


 群衆は感嘆の声を漏らした。


「おぉ!やったぞ!」


「一つだけお願いがある!ゆっくり押さずに入ってほしい!」


 群衆は海斗の声を聞いていても理解はしていない様子だった。海斗は【次元】ショータを呼び、アイテムボックスの入り口をできるだけ巨大にしてもらった。


 突如現れた巨大な時空の裂け目に難民達は殺到していく。我先にと時空の裂け目に入ろうとする者たちは、足の遅いものを薙ぎ倒して前に進もうとする。


「キャ!」


 つまづいた少女が地面に倒れた。大人達は後ろから押されて少女を踏んで前に進む。海斗は間一髪で倒れている少女を新しく時空の裂け目を作り堕とした。


 海斗は【分裂】ガイルに自分を分裂させて、アイテムボックスの入り口を増やした。苦肉の策だったが、迫り来る群衆の前に他に取る手はなかった。


 難民達は近くの入り口からどんどん入っていく。八人の海斗と【次元】ショータはアイテムボックスの入り口を維持した。


 アイテムボックス内では【聖女】フレシアが傷ついた人々を順番に癒していった。【賢王】ギルガメスは権能である幻影の騎士団(ファントム・ナイツ)を使って幻影の騎士を百体ほど生成して、避難民を誘導した。


読んでくださりありがとうございます。


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