そして物語は新たなステージへ……的な展開フラグキタッ!!
翌日、とりあえず殿下スチルを試しに、王宮に出向くことにした。
……つーか翌日とか早くね?
しかも朝っぱらから迎えに来やがったぜ……長谷部氏め。
せっかちな輩だな!人ん家の迷惑を考えろよ!!
このままでは私の穢れなき身体がひん剥かれてズタズタのデロデロにされてしまう。
しかもヒロインに。
これが小説ならば、メンズの読者に忖度しすぎである。
書いてる奴は底辺作家に違いない。
『乙女ゲーム転生』と言えば、『異世界恋愛ジャンル』……そこの主な読者層のニーズを思いっきり無視している。
王宮に向かう前に早馬を出し、『火急の大事な案件があるからどうしてもお会いしたい』と手紙を持たせた。
長谷部氏の指示である。
……抜かりねぇな!
最早時間の残されていない私は、考えた末……
長谷部氏が殿下に台詞を言わせようとした瞬間に『頸動脈を狙い撃ち☆超高速de残像必殺首筋チョップ』を殿下に食らわせ、それをニコレットのせいにすることにした。
私は悪役令嬢だからな!!
役どころが正しくなっただけだ!
殿下には悪いが仕方ない。
責任は10年後、とらせて貰おう。
王宮の入口で殿下を待っていると、近衛兵と侍従に囲まれながら殿下が出てきた。
そこへ、あざとい仕草でヒロイン・ニコレットが駆け寄る。
「殿下ぁ~♥ お会いしたかったですぅ~」
中身はアラサー兄さんだと思うと物悲しい……今までの、並々ならぬ彼の苦労をこれから台無しにすると思うと、目に涙が滲んだ。
──だが、躊躇はせぬ。(非情)
私と離れたところに殿下、殿下の近くにニコレット……周囲にはニコレットの息のかかってない王家の従者や衛兵達……好機到来!
時は満ちた…………
いざ!
「でっ……殿下!!」
……というところに、真っ青な顔で王の腹心である宰相がやってきた。
宰相候補のおとっつぁんだ。
「大至急大広間に! ……おお、これはルビー様……丁度良い、貴女もいらしてください!!」
「はぁ……」
なんか連れてかれた。
何故かニコたんも一緒に。
なんだ?
馬鹿息子がなんかやったのか?
(……ご飯をもっとビッチリ、靴の中に詰めといてやったら良かったか? いやでもご飯が勿体ないな。 せめて激熱にしとけば良かったかな……)
昨日のざまぁと、使用したごはんの温度が温かったことを、私はちょっぴり後悔した。
──しかし、その内容は昨日のごはんとざまぁの様には温くはなかった。
速足で大広間に向かう中で、宰相殿は私達に告げる。
「聖殿が何者かの手によって壊されました……っ!」
「「「えええっ?!」」」
聖殿は『聖なる森』の中にある、王家の許可なく入れない小さな神殿である。
よくは知らないが、時折神託とかを受けちゃったりするらしい。
ちなみにこれはゲーム情報ではなく、公爵令嬢であり殿下の婚約者……ルビーの持つ情報だ。
「ちょっと長谷部氏! これはストーリーにあるの?!」(小声)
「ないないこんなの! 乙女ゲームだぞ? 男爵令嬢の俺は聖殿すら知らんわ! オープニングムービーで確かにちらっと出てた気はしなくもないくらいで……」(小声)
長谷部氏はそこまで言って急に足を止めた。
「? はせ……いや、ニコたん??」
「……っていうかさ……森の方向って……」
「方向?…………」
「…………」
「「……!!!!」」
もしかして……
私が昨日撃った波動砲が原因かぁぁぁぁ?!
「……でも情報遅くね?」
「そっそうだよね! きっと別のなにかが原因に違いない!!」
──だが、やっぱり波動砲が原因だと思われると判明。
気付かれなかったのは、神殿が森の中にあり……管理役の神官は王の毎朝の礼拝と共に向かい、毎夕の礼拝と共に帰ってくるからだった。
森の一部は城内にあり、壁で囲まれている。そこに衛兵が立って見張っているのだが…… 丁度スキマ時間にタイミングよく、私の波動砲がいい感じで打ち込まれちゃったらしい。
幸いこの国には小さな隕石が降ってくることがあるため、隕石だと思われたようだ。よもや神殿が壊れているなんて思いもよらなかった、とのこと。
これが小説ならば、なんたるご都合主義だ!
書いてる奴は底辺作家に違いない!!(確信)
こんにちは!底辺作家です!!
なんとか1話ねじ込みました!!
異世界転生(恋愛)にジャンルを移しました!!
……入るのか?!恋愛要素っ!!
副題が微妙なんで直していきたいです!




