更にヒロインはまさかの○○○○……だと!?
そんなワケでここは『呪いの乙女ゲーム』の中らしい……と判明。
長谷部氏の言う通りで、都市伝説が本当ならば、の話だが。
その場合において、長谷部氏と間 咲の肉体がどうなってんのかは謎である。
「……死んでんのかな?」
私の疑問に長谷部氏は「いや! 生きているだろ?!」と驚き声を荒げる。
彼はゲームを完全クリアさえすればここから出れると信じて今までやってきた為、私の考えは寝耳に水だったようだ。
だが、その考えも可能性として否定はできない──彼自身そう思ったのだろう、驚愕の表情のままガクリ、とその場に膝をついた。
「……そ……そんな…………だが、もしそうだとしたら……」
私は見ていられなくて目を逸らす。
「なんのために俺は今まで男共に媚びを売ってきたというんだァァァァァ!!」
──それは大変悲痛な叫びであった。
「まあまあ……TS転生で心は男性なんて、腐女子にはモテそうじゃない」
「それは受としてだろ?! 前提がクソじゃないか!!」
「令嬢がクソとか言うなよ~」
「令嬢言うな!! ふん、まだわからん……悩むのはゲームクリアしてからだ!! 協力してくれるな!?」
すっくと立ち上がると、長谷部氏は私に詰め寄った。
──だが答はイエスじゃない。
「家が没落するとか困るんですけどぉ~? そこは上手くやってくれんの? 『この世界が続く』前提でも、ちゃんとしてないなら、協力なんてできないね!」
私の意見はもっともである。
これがラノベにありがちな『ゲームを模した別世界』だった場合、この人生は続くのだから。
大体にして私は、なんもしとらんが故に『婚約破棄からのざまぁ』をするつもりだったのだ。
婚約破棄されて現代日本に戻れるならいいが、婚約破棄されただけで戻れなかったら、踏んだり蹴ったりなだけでなんの旨味もない。
「ぐっ……確かにそうだな……ならば折衷案を考えようじゃないか。 ちなみに君は王子妃になりたいのか?」
長谷部氏は仕切り直す様にパンパン、とスカートを叩く。私は話が長くなりそうだと感じてソファに腰を掛けながら「いや」と一言返した。
「……でも殿下には幸せになってほしいよね~」
殿下は無邪気な弟みたいなもので、会ってる時には従者の目を盗んではくだらない遊びをしている……つまり私にとっては身内扱いだ。
少なくとも、愛情のないTS野郎にはやれん。
私はやり込むのを目的としているため知らなかったが、あのゲームの殿下ENDは
『あと10年……私が大人になるまで待っててくれ』
……という殿下の台詞つきスチルで終わるらしかった。
「その台詞をいい感じで言わせればクリアなのではないだろうか?」
「とりあえず試してみよう。 無理ならまた考えるとして……」
「それは俺に考えがある」
そう言うと長谷部氏は、私の超~至近距離に寄ってきた。
「……へ?」
からの……ソファドン。
壁ドンならぬ、ソファドン。
「──君が他の誰かにヤられてしまった事にすればいい。 俺が証人として被害を訴えよう……暴漢に汚されてしまった少女を王子妃にはできないが、君は哀れな被害者だ。 誰かと不貞を働いた訳ではない」
「あの~……ちょっとちょっと?」
話がミエナイナ~……
あれ?ヒロインちゃんよね?この人。
「大丈夫、優しくするから……あ、唇は大切な人の為にとっておこうな?」
「ふぁっ?!」
なんか耳元で宣われた後、首筋を舐められてようやくヤベェと気付く。
だって女の子だよ?!
女の子同士だよ?!!
まさかの百合展開。
しかもこのままではムーン案件。(※メタ表記)
……冗談はやめろ!!!!
だがその隙にもヒロインの筈の人の手は止まらない。
手っていうか、色々止まらない。
「ちょっとちょっとちょっとちょっと! ニコたん?!!」
「その名で呼ぶな! 萎えるわ!!」
「萎え……っ」
……
…………
………………!!!!!
つつつつついてるぅぅぅぅっ!!
なんか変なモノついてるぅぅぅぅ?!!
──ヒロインは所謂『ふたなり』というやつだった。
そんな設定ないでしょ?!
ないよね??!
要らないしね!!!!
「……はっ」
「!」
「はどーほぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
──チュドオォォォン!!
私はあまりの事に波動砲をぶっぱなした。
やはり壁のないこの部屋でよかっ……
「…………ふっ」
「効いてない……だとっ? !」
この至近距離で!!?
「何故ならば俺はヒロイン……特殊スキル『完全防御』の持ち主なのだ!!」
「でぇぇぇぇぇぇ?!!」
そんなチートだったのかよ?!
「ふっ……そのお陰で今まで貞操を守ってきた……だから女性の気持ちも解る。 ……乱暴にはしたくない、俺を信じて身を任せろ!!」
「アホかぁぁぁぁぁぁ!!! 任せるかぁぁぁぁぁ!!!だっ、大体にしてまだ殿下スチルを試してないでしょ? ニコたん!!」
「むぅ……確かにそうだな…………まあ、ダメだったときには覚悟を決めてくれるなら、やめてもいい」
「なんつー悪辣な取引!!」
さては最初からそれが目的だったのか!
──やはり悪役令嬢にとって、ヒロインは敵であったと知る。
つーかえげつねぇ。
色々えげつねぇ。(何がとは言わない)
修正はしませんし、必要も感じていません。
ネタバレ防止の為、前書きで注意を促す予定もないです。
ですが、不愉快な気持ちになった方もいらっしゃると思います。
性的なネタは、デリケートな問題ですからね……
謹んでお詫び申し上げます。
大変申し訳ありませんでした。




