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失いたくなくて

 ケイトがヴァイツ家の元商人についての情報が入ってこなくてその不安を吐露するとケイトの不安を少しでも軽減すべくイザベルが修行を休んで、自分に独自に調査をして欲しいと願い出てきた。


 その提案に対しケイトは動揺してイザベルの動きを止めていた。


「ダメよ!あなた1人にそんな危険な事はさせられない!どうしてもいくならば私も行くわ!」

「今回ばかりは私もゆずれません、これ以上ケイトを不安にさせたくないのです!」

「どうしてよ⁉いつも2人でやってきたでしょう、危険は承知の上で今までだってやってきたじゃない!」


 本音としては当然2人に今さら危険に踏み込んでほしくはない、だがあまりの情報、手がかりすら報告がない事に不安も限界になったんだろう。


「……ケイト、今まではケイトがいたから私もそこまで危険に踏み込む事を躊躇していました、だけど最悪私1人なら……」

「ふざけないで!」


 イザベルが自分1人ならば多分最悪犠牲になっても構わない、そう言おうとしたときに叫びと共にケイトが強くイザベルの頬を叩いた。


「……っつ……」

「どうして……どうしてそんな事を言うのよ……なんで今になって、自分1人で……」

「ケイト、あなたはここに来て、御師様やシーナさん達、村人と過ごしているうちに昔のような笑顔が戻って来ました、そんなあなたの平穏な日々を守りたいのです、だから……」

「そこにはイザベルもいるからよ!確かに師匠達と過ごす日々は充実していた、だけど、そこにあなたがいなくなったら、なんの意味もないじゃない!」


 本当にケイトはイザベルを従者としてだけでなく友達として大事なんだな、だけどイザベルの考えも分かる。……イザベルが1人で行くと言った時から考えていたが、提案してみよう。


「イザベル、イザベルの気持ちは分かった、だけど師として1人危険にさらすわけにはいかない」

「御師様……ですが!」

「だから、俺もその調査に同行する!」

「えっ?」

「えっ⁉師匠!」


 このままイザベルだけを行かせるわけにはいかない!だから俺も一緒に行こう。

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