イザベルの提案
ある日の修行中に昼食休憩に入る前にケイトからヴァイツ家の元商人に関する情報が入っていないかの確認をされるが、俺の元にもこれといった情報はない事を話すとケイトはこれ以上待つ事や領主様達の対応に不信と不安を隠せないでいた。そんな時、シーナ達の食事準備を終えたイザベルが俺達の話に加わってきた。
「御師様、ヴァイツ家の事で何の情報もない日々を過ごして、ケイトも私もかなり不安がつきまとってきたのです」
「そうか、すまないな、そんな素振りを見せないから、しっかりと構えて過ごしているものと思っていた」
「師匠が謝る事じゃないわ、師匠も、シーナちゃんもジョーンも村の人達だって、私達によくしてくれている事は分かっているから、ただ私達が不安なだけだから……」
「だけどケイト達がこのまま不安を抱えているのは良くない、だけどどうすればいいか……」
俺がどうしたら良いものかと悩んでいるとイザベルから思わぬ提案が出てきた。
「御師様!今しばらく私にお暇をいただけないでしょうか?」
「イザベル⁉どういうつもりだ?」
「領主様やユウ様には申し訳ありませんが、このままではよくありません、私にヴァイツ家の元商人の足取りを追う調査をさせてください!」
「何だって⁉」
イザベルはしばらく修行を休んで、自分にもヴァイツ家の商人の足取りを追わせてほしいと懇願してきて、さすがに俺も驚きが隠せないでいて戸惑っている中、ケイトも声を上げた。
「待ってイザベル!そんな大事な事を私に相談もなしで決めたの!」
「ケイトが御師様に不安を打ち明けていたのを見て、このままでは良くないと思い、今動かなくてはと思ったのです!」
「それって単なる思い付きじゃない!あなたらしくもない!そんな事許さない!どうしてもっていうなら私も行くわ!」
「いえ、ケイトは御師様の元で修行を続けてください、危険なのは私だけで十分です」
イザベルの思わぬ提案がケイトの心をかなりかき乱していた。イザベルの決意も分かる、ならば!




