28.報告
「えーっとこの報告について再度お尋ねします。今回のキングゴブリン討伐に関してですが――丘の上の軍団を爆殺したのは、ヴィンセントさんでお間違えないですか? クレアさん」
「はい」
「……では『鉄の盾』の皆さんにお尋ねします。陽動部隊であるゴブリンファイター三体、その討伐において前衛をヴィンセントさんが務めたということですが……お間違え無いですか?」
「はい」
『キングゴブリン強襲』はかなり大事になった。
当然その討伐に関わった中で、F級のおれは違和感でしかないだろう。
『看破』のスキルを持つ職員が報告の真偽を確かめてきた。
「ヴィンの実力を疑ってるんですか?」
クレアがむくれている。
おれの働きの半分は彼女が仕込んだ力だ。
「い、いえ、ですが……実績のないF級冒険者。我々もその実力を測りかねてるんですよ!」
職員さん半ギレ。
職員さん曰く、冒険者になってからの実績は無くF級。だがステータスはB~A級。そして今回の報告と、迷宮攻略を合わせるとA~S級に相当するらしい。
ちなみに今のおれのステータスは――
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ヴィンセント・アルトリンデン(30)♂
【職 業】:F級冒険者
【レベル】:39
【体 力】:B[1080 / 5000]
【耐 久】:B[ 200 / 5000]
【膂 力】:B[ 750 / 5000]
【速 さ】:B[ 500 / 5000]
【知 力】:B[1850 / 5000]
【運 気】:E[ 330 / 500]
【魔 力】:B[4850 / 5000]
【精 神】:A[7870 / 8000]
【器 用】:A[1080 / 8000]
【スキル】:『デジャブ』(Ex[1006500/ 1000000])
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【器 用】がAに上がったな。
トラップを使ってゴブリンを一掃したおかげだろうか。
レベル39と言えば上級冒険者や国の騎士団長、宮廷魔導士クラス。
「そんなに悩まないでいいですよ。おれはAでもSでも大丈夫ですから!」
「ああ、そうですか。ご理解いただき助かりま――え?」
「Sでも大丈夫です」
「大丈夫って、えぇ……」
S級――いい響きである。
一般的な冒険者とは一線を画する、特別な存在。地方領主や大商人もその力の前には膝をつくほどだ。
「S級は地方ギルドでは昇格できないよ。普通はA級までだからね」
「そうなのか?」
「は、はい。S級から上は順位持ちになります。ランカーになるための昇格方法はA級冒険者にしか知らされません」
ということはクレアは知っているのか。
「では、こうしましょう――」
とりあえずE級に昇格した。
おれに足りない実績――薬草採取、魔獣討伐、要人警護、魔物討伐――をこなした後、都で昇格審査を受けられるように手配してもらった。




