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【改訂版】天才たちは異世界での極振り生活を夢見る  作者: 月那
第一部 第一章 異世界の天才たち
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第十九話 火をつけ隊出動

「「よし終わった!」」


「「「君ら2人でも終わっただろ」」」


嬉しそうにはしゃぐ二人に向かって、地に伏した私たちは同じ言葉を投げかけた。

氷人でさえ筋肉痛前夜みたいな感じなのはマジでやばいと思う。

命綱なし、超高い場所での作業、プラスして木登りからの精密作業。

心身ともに耐久値をがりがり削られる。

よく落ちなかったと自分をほめたい。


実際のところ、私たち三人で4割、残り6割はあの二人がやった。

お前ら何なん・・・。

4割中5割は氷人だしね。マジで体力無いのが私なんで…。

というか、同じように体力無いはずの二人が何で6割近く設置できたのかが謎。

空属性魔法__あのあと私ももらった__を使いこなしているのはあるんだろうけどね。

私も朱夏と同じくらいまでは扱えたんだけど、何というか…技量の差を見せられたというか…。

なんか悔しいです。


「いやいや、私らも結構ぎりぎりやし」


「手伝ってくれてありがと~」


「マジでお前ら今度の大会おごれよ…」


マジであの二人殴りたい。

殴ったら即死だから殴らないけど…。

とりあえずベンチに座ると、一人分開けて氷人が座った。


「乙・・・」


「氷人でもきつい?」


「命綱、ない…からね」


「そりゃそうだわ」


ご本人的には体力より精神力の方がピンチらしい。

こう見えてお化け屋敷はそんなに好きじゃないし、戦うのも好きじゃない。

何というか…ビビりである。


「ビビり…違う」


「いやビビりやて。しっかり心を読むな」


俺はビビりじゃない…と目で訴えてくる。なんかデジャヴを感じるんだが。

目が死んでるあたりが特に。


「今から点灯テストするよー」


「オッケーすぐ行く!」


その言葉に導かれるように、私と氷人は二人の所へ歩みを進める。

因みに秋白はずっと地に伏していた。うん、気持ちはよくわかる。

とりあえず立たせて支えつつ二人の所に向かう。


二人は一つだけ形の違うランタンの前で待っていた。

そのランタンのフレームには装飾のような黄色の紋様がある。


「黄色い奴は買ってきてもらった光石ね」


「あ、なるほどね。いやなんのためかは全く分からんし知らんけど」


今の時点でもほんわりと優しい光を放っている。

そういえば、他のランタンにも一箇所だけ光石らしき黄色の場所があった。

何か関係しているのだろうか。


「んじゃつけるんだけど…このまま私が火魔法でやるとランタンが壊れる」


「「「「でしょうね」」」」


「…そろいもそろって私が火力馬鹿みたいに言うのやめてくれない?」


事実やん。INT極振りの魔法火力バカ。

物理火力バカは氷人。

生産チートが金央。

幸運野郎が秋白。

光速野郎が私。

以上。異論は認めない。


「はぁ・・・ゴホン、なのでまず適当な枝につけることにする…けど、そのままやると火が燃え移るからそこはどうにかする」


「森林火災はシャレにならんもんな」


「んであーちゃんに頼みたいことが」


「ん?」


「ちょっと計算手伝って」


‥‥????

全く話が見えないでござる。


「魔法って基本…光属性とかを除いて秒速11mで進むのね」


「自動車じゃん」


ホントだよ…と朱夏はため息をついた。


「で、私が強引に速度を上げると2倍になる。で次の魔法を打つまで0.5秒かかる。距離は2mとる。速度からしてこの距離だと打ち出す角度9.5°で2m時点で約16cm浮くのね。だから私が打つ高さ+8cmの所に枝の先端を置いてほしい。際の方は布とか巻いて補強…なんだけど、2倍の速度で撃つ水魔法はいつ撃ったら火魔法とぶち当たって相殺すると思う?直径0.2mで」


片方計算して覚えとくだけで頭爆発しそう、と彼女は言う。

何だそんなことか…とはいえかなり計算式がきついけど…。

そもそも中学の範囲から抜けてるじゃん。これ二次関数だし…。


「えー…詳細は省くけど…重力加速度は?」


9.80665という声が帰ってきたので集中!

滞空時間は関係ない、高度もほぼ気にしない、合わせるべきは最終地点が半径である0.1m以上直径である0.2m未満…。


「打ち出す角度87.7°、最初の魔法を打つ3.62秒前…かな。打ち始めがそれだから、打った瞬間が4.12秒後ならOK。この場合高度24mまで行くから頭上注意かな…」


「火をつけるだけでこの計算様…」


「極振りが故・・・かな」


「焚火も結構リスク高いしねー、木が爆ぜる」


なんかいつの間にか他3人に引かれてたんだけど…解せぬ。

五月蠅いうるさい。この中で火を付けれる人類朱夏しかいないんだわ。

マッチ買ってないしね。


「おし分かった」


そう言って朱夏は私に割と太めの60cmくらいの棒を渡す。

まあ、かすっただけで私は死ぬしな…これくらいの距離ないと無理ゲーか。

いわれたとおりに布を巻いてひもで縛る。

紐はワイヤーに近い感じのを使用してます。焼けたらあかんからね。

いやーもしかすりでもしたら死ぬって考えるとシャレにならん…。

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