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【改訂版】天才たちは異世界での極振り生活を夢見る  作者: 月那
第一部 第一章 異世界の天才たち
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第十五話 属性適正

「ふーん、朱夏さんはどうやら火と水、あと微妙に聖属性とかむいてますね。賢者かな」


「そりゃどうも…魔法陣はビビる」


まあぎっしり書いてありますものね…とマリアはつぶやく。

その魔法陣は現在全体の約半分ずつが青と赤に発光しており、一筋だけ薄く黄色に光っている。

どうやらこれが属性を表す色らしい。

上に手を置いただけでこうなので、なんの身構えもしなくてよかったらしい。

完全に損した。


「皆さんそう言う反応されるんですよ」


そりゃあそうだろうなと朱夏は思う。


「でしたら、火魔法と水魔法のスキルはお持ちでしょうから…聖魔法のスキルを買っていったほうがいいでしょう。初回サービスで100ゴールドにしておきますよ」


ちゃんと商人魂見せてくるあたり流石だな…と思いながら朱夏は了承した。

所持金から100減り、マリアは店内の本から迷いなく一冊の本を取る。


「というか、何で火魔法と水魔法のスキル持ちって分かるんですか?」


「基本杖持ちや聖杖持ちは属性適正上位2つのスキルが付与されます。聖杖の場合は+で聖属性が付きます‥‥。まあ属性適正1つしかない人はあれですけど」


そう解説しながらカウンターに戻り、最初のページを開くと、なにやら知らない言語で呪文を唱え始める。

そして、本から一筋の光が飛び出てきて、朱夏の身体に吸われていく。

その瞬間に詠唱は止まり、本から放たれた光もなくなった。

不思議な光景にどぎまぎしていると、マリアからステータスの確認を促される。

ステータスを出すと、確かに聖魔法が増えていた。


「ホントだ、聖魔法が増えてる」


「聖魔法は基本的に回復や支援多めなので攻撃魔法と合わせればソロ活動でも十分やってはいけますね」


ただ、防御が薄いのがあれですけど、と彼女は締めくくった。


「ついでに物理しか効かない敵もいるので…まあ物理戦闘できる人とパーティを組めばいいと思います。ギルド集会所でパーティ要請はいつでも貼ってありますし」


はぁ~と朱夏は感嘆する。

まあそっか。普通最初はソロだよな‥‥。

昔から仲いいから一緒にやる、というスタンスを取っているところは実際あるが、それよりも既存の巨大ギルドに仲間で入ったほうが、パーティとして安定しつつ、ギルド内での昇格も狙える。

まあそれについては後々知ることになるため、彼女の中ではただこの世界のシステムに感心するばかりである。


「まあ立ち話もなんですしお話でもいかがですか?丁度お菓子がありますし」


「お茶いれて来るねーー」


断ろうとしたらもうすでに準備されてしまっていて心底複雑な気分になった。

こうやって外堀埋めてくる人っているよなぁ、と朱夏は思った。

恋愛だったら負け確演出一歩手前である。

危ない危ない、と思いつつ、マリアがお菓子の準備をしている間、過敏にそれぞれ活けてある花を見る。


プリムラとシンビジウム。

今は3月下旬だし、確かにこれらの花が出回ることに違和感は覚えない。

プリムラに関しては初夏まで出回るが…まあ異世界だしちょっとよくわかんない。

というか、同じ花がなぜ異世界なのにあるんだか、という疑問もわいてくる。

それはそれとして、花言葉、というのは得てして告白やプロポーズに使われる。


果たしてこっちでの花言葉が何なのかは知らない。

どっかのゲームで薔薇もらって「え⁉告白ですか⁉」って思ったらゲーム内では別のニュアンスの言葉だったりした。それでもすごいいい話だったが。

だが、地球で言うならプリムラとシンビジウムはそれぞれ「青春の恋」と「華やかな恋」を意味する。

そうなりゃ、カザンさんのあの発言も加味していろいろ想像がはかどるってもんです。


"やあ、左大臣殿…おや、マリアから彼女に鞍替えかい?"


あの様子だと、デルタはマリアが好きなようだし、そう言っていたカザンもクラリスが好きなようである。

いやぁ…。ロマンスっていいですな!と朱夏は内心ほくそ笑んだ。

本人は周りから氷人とはよくっつけと思われているとは思ってもいない。恋の自覚はあれど片思いだと思っているためである。


「お待たせしました~。おや、なんだか楽しそうですね」


「ふふ、あまり人と話さないのでうれしくて」


「コミュ障?」


クラリス、そういうところやぞ、と朱夏は目を細めた。

というかコミュ障という言葉は存在するんですね分かりました。

若干イラっとしたが、まあこういうのも悪くないと思った。


それからは、この世界の魔法やスキルについて、花について、紅茶の銘柄について…。

時間も忘れて気づいたら15:45になるほどにずっと話していた。

普段こんな女子力全開の会話をしない朱夏は「心が女子になる魔法でもかけられたのかと思うくらいめっちゃ乙女トークした」と語った。


そして、いくらかお茶やお菓子の土産を貰ってから、集合時間に向けて朱夏はダッシュした。

また行きたいな、と地味に思う。

もうすでに絆されきっていることに気付かない彼女は、集合時間に15分遅れた秋白のせいで孤独な時間をしばらく過ごさないといけなくなったのは別の話である。

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