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【改訂版】天才たちは異世界での極振り生活を夢見る  作者: 月那
第一部 第一章 異世界の天才たち
11/20

第十一話 異世界の世界事情

とりあえず1話終わりました

ステータス変更しないといけないのでちょっと時間かかります

しばらく歩いて、買い物が終わったので魔法陣で外へ出る。

どうやら住宅街と外の間に生産系の設備がある区画があるらしい。

何でそんな変な構造しているのかというと、これはこの世界特有の世界事情によるもの。

まあ異世界あるあるだけど…。


1100年ちょい前位に、一回世界が滅亡しかけたことがあるらしい。

その時の人類__妖怪や獣人など、こちらに友好的な種族をひっくるめてこの世界ではそう呼ぶらしい__の混乱に乗じて、魔王がモンスターの大群を引き連れて世界征服をしたそう。

そこでもう世界征服されちゃってるのが世のRPGと違うところね。


で、その100年後くらいに登場したのが勇者様。

その時は明確な呼び名が決まってなかったから、その人が持ってたスキルの名前から後々そう呼ばれるようになったとか。

そして、その数年後に魔王を倒して、世界に平和をもたらした。

ただ、神のお告げ(神託っていうんだと思うけど)では100年ごとに魔王が襲来するとのことで、そのたびに勇者様が現れるらしい。

それからは教会が勇者を発見して発表してるんだけど、選定条件はよくわかってないとか何とか。

怪しさ満点。


そんなわけで、魔王が来るから住宅街は奥の方に、生産ラインは手前に置いて人への被害を抑えるっていう目的がある。

何ならお城は全国民が避難できる大きさに作ってあるらしい。

めっちゃ対策している。


「‥‥とりあえず帰ろうか」


氷人に促されて、森への道を進む。

インベントリにものを入れているのでこの身一つで帰れるのはいいことだ。

ただ、はしゃぎすぎて6時になってしまったのはちょっと良くないかな…。

なんて言ったってここは異世界。

異世界あるあるは当然通用する。


「…帰る前に、運動しないといけない気がするのは私だけかな?」


「いや…」


「俺もそう思う」


夜になる、即ち人ならざる者の活動時間である。


あたりから木の葉を揺らすがさがさという音が聞こえてくる。


「こういう時にランタンがあると楽なんだけどな」


「誰かが光系の魔法でも使えるようになったらなくてもいいんじゃない」


そんなふうにだべっていると、周囲を囲まれる。

暗いから周りが分かりにくい。

それでも、なんとなく結構数が多いというのはわかる。


刹那、狼っぽい魔物が氷人目掛けてとびかかるが、彼は華麗にかわして剣でカウンター。

一瞬で魔物は黒い粒子へと変貌を遂げる。

私は[認識阻害]を発動させてヘイトを稼ぎながら、氷人に魔物が集中するのを避ける。

…なんで初戦闘なのに動じてないの…?と言われても、VRMMOとかのテストプレイをしたこともあるので、なんとなくの立ち回りは理解してるから。

まあ、モンスターがリアルすぎて気持ち悪いし、体当たり食らったら絶対痛いだろうから現実をひしひしと感じております。

でもそんなこと言ってる場合じゃないし、一人じゃない。


金央も大盾で体当たりを防ぎつつ、短剣で応戦。

ダメージソースの氷人を守りつつ、じわじわと削っていく。


《[短刀術]のスキルレベル上昇》


《レベル上昇》


《[認識阻害]のスキルレベル上昇》


《[俊足]を獲得》


パネルに何やらいろいろ書いてあるけど、後回し。

別に体操とかをしていたわけではないので、ぴょんぴょん飛び回ることはできないけど、とりあえず今はAGIごり押しでどうにかする。


と言いつつ私のステータスも異常らしく、一発攻撃を当てるだけで魔物は倒れていく。

けど、それは逆も同じ。

私たち全員、敵から攻撃を一発もらっただけで死んでしまう紙っぺらパーティ(多分きっと恐らく)なのである。

この世界のレベル格差は割とすごいらしい。

レベルが数個違うだけで勝てないこともある。

by図書館の本。


ゲームのようにダメージ計算式などを推測することができないし、どうしても攻めの姿勢にはならない。


私と金央でちまちまと数を減らしつつ、氷人には正面の敵だけ受け持ってもらう。

結構四方八方からモンスターがくるし、向こうもまずは私たちを倒さないと氷人は倒せないと理解している様子なので、少しずつ回転しながら戦いを続ける。


この戦闘に出てきているのは、スライム、ゴースト、ウサギ、狼。

鑑定する暇がないので特に鑑定はしていないが、はじまりの町にいそうなラインナップである。

ゴーストだけは物理がきいていなさそうな感じがするので、どうにか魔法が当たる先を誘導して同士討ちを狙う。


火の玉があちこちから飛んでくるが、素早さに任せて焦点をずらしてやり過ごす。

火の玉を使うくせして全く火への耐性が無さそうなので、少し安心する。


時折氷人が石を蹴ったり投げたりしてその進行方向上の魔物が根こそぎ土に還ったりしているのだが、もはやそんなことを気にしている場合ではない。

自分も移動がてら攻撃をし続け、数を減らす。


敵の数は着実に減ってきている。

同時にこちらも疲れてきたのでそろそろ終わってくれるとありがたいのだが。


「ラストスパート」


氷人が大胆にも敵陣に突っ込む。

そのまま回し斬りをして、周囲の脅威を払った後、すばやさ極振りでもないのに私と同程度の速度で敵の周囲を最短距離で走り、塵に還していく。


私たちも後方からの襲撃をいなしつつ、氷人が獲り損ねた魔物を滅していく。


「氷人ラスト!」


「っふ_____!!」


最後の足掻きの攻撃を身を捻って避け、そのままの遠心力で身体を切り伏せた。


「生きてる……」


ふいに漏れた一言は、まぎれもない本心だったのだろう。


「…だね。なんか感動する」


「………また出くわさないうちに帰ろう」


その言葉に静かに頷き、私たちはドロップ品を回収してからその場を離れた。

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