表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生特典の権能《創造主》をもって異世界へ  作者: 葉ノ月サトゥー
第一章 王立魔法学院編  
18/177

編入

  4日目



 メイとそのご家族にお礼と別れを告げた俺とアイルは王立魔法学院へと向う。

 その道中、別れ際のメイの顔が何度も頭をよぎった。

 お別れの涙をぐっとこらえ笑顔で送り出してくれたメイの優しさを実感する。


 やっぱり寂しいもんだな。

 たった数日間の付き合いなのに、中学の卒業式なんかよりはるかに寂しいと感じている。

 元の世界のやつらが全員俺の目の前からいなくなったとしてもこれほどの寂しさは味わえないだろう。

 といっても、世界ってのは広いようで意外と狭いからな。

 そのうち会える気がする。

 勘ってやつだな。

 とりあえずそれまではお別れだ。また会える日まで。


 

 さて、これから行く学校のことを少し説明しておこう。

 正式名称は王立魔法学院ヴェインヴェルグ。

 主に戦闘技能を教えている。

 全寮制。来る者は拒まずのスタンスで入学試験や編入試験はいっさいなし。

 その代わり”序列”というシステムがある。

 このシステムは学年ごとの在校生にそれぞれの強さのランキングをつけるというもので、もし新入生や編入生が一学年の定員である500名を超えた場合、年に二回ある序列確定日に500位未満の生徒は問答無用で退学というものである。

 さらに、序列により学院内での待遇が変わる。

 極端な話序列1位の扱いは貴族に対するそれに等しい。

 変わって序列500位はと言うとほぼ家畜同然。

 ギリギリ人間として見られているかな?ってくらいの扱いだ。

 501位以下がどんな扱いを受けているかなんて考えたくもない。ゾッとする。


 強者を優遇し弱者を冷遇する。まさに弱肉強食! 実力至上主義だ!


 ……ゴホンッ。説明は以上だ。

 というか俺もアイルに聞いた情報なのでこれ以上のことは知らない。

 もっと詳しいことは編入してからのお楽しみだな。


 そんなこんなで王立魔法学院に到着した。

 まずは学生寮に入り受付で制服などの学院生活で必要なもの受け取り部屋に案内される。

 この寮はすべて一人部屋らしい。

 ありがたいな。ルームメイトなんていたら落ち着かないだろうし。


 俺は素早く制服に着替え部屋をでる。

 ちなみにこの寮は男女共用らしい。

 1~10階が男子、11~20階が女子とのこと。

 寮は全部で3棟あり、それぞれ1年、2年、3年と別れている。

 俺とアイルは2年生だ。

 寮にしては少し高すぎる気もするが、まあ魔法のある世界だからな、ということで割り切った。


 アイルとは寮の入り口で待ち合わせということになっている。

 特に意味もなく早足で待ち合わせ場所に向かう。

 どうやらまだ来ていないらしい。

 俺はアイルを待ちながらこれからの予定を確認していた。


 まず、この後は職員室に行き担任教師と顔合わせ。

 そこで注意事項を聞き、すぐに担任と一緒に自分たちの教室に向かう。

 俺とアイルは同じクラスらしい。

 たぶんメイのお父さんの計らいだ。

 そして同じクラスの生徒との顔合わせ。という流れだ。

 あまり元の世界と変わらないと思うがそもそも俺は編入したことがないので比較ができない。


 と、一通り確認を終えたところでアイルがやってきた。

 

「お待たせいたしました」


 そういうアイルの姿に俺は息をのんだ。

 ヤバいな。制服姿のアイルさんマジヤバい。

 クッソ可愛い。全体的に白色のつよい制服を着たアイルはもう天使とかいうレベルを超えて女神だった。

 俺は改めて制服の偉大さを痛感した。制服最高!


 俺が固まっているとそれを不思議に思ったアイルが首を傾げた。


「どうかなさいましたか?」

「いや、その制服よく似合ってるなと思って。かわいいよ」

「! ありがとうございます」


 アイルは一瞬の驚き顔の後、すぐに無表情に戻ってしまった。

 ここでもっと照れてくれたら尚良いんだけどなぁ。

 できれば『あっありがとう、ございます。その、そう言ってもらえると……すごくうれしいですっ』みたいな感じで恥じらいつつ上目遣いで言ってほしい。

 まあ、無表情キャラっていうのもなかなか貴重でいいんだけどね。

 それはそれで乙なものだし。かわいいは正義。かわいければいいのだ。


 そんなことを考えつつ歩みを進め、職員室に到着した。

 そこで担任教師の高城(たかぎ)紗季(さき)先生に挨拶をし、俺たちのクラスに向かう。

 

 廊下で高城先生の話が終わるのを待ちながら、深呼吸をする。

 今更ながら緊張してきた。が、ここまで来たらやりきるしかない。

 そう覚悟を決めて、何度目かの深呼吸をしたとき、ついに高城先生から中へ入るよう声がかかった。


 俺は意を決して教室の中に入り、黒板に名前を書き自己紹介をする。


八重樫(やえがし)(おうぎ)です。よろしくお願いします」

「アイルΔ(デルタ)と申します。よろしくお願いします」


 いや~自分の名前だけでも異世界語で書けるようになっててよかったよ。

 危うく笑いものにされるところだった。

 いや、案外誰も気にしないかもな。だって、


「「「「「「「うおぉおおおおおおっ! 美少女だぁあああああああああああっ!」」」」」」」


 アイルの自己紹介が終わると同時にこの熱狂っぷりである。

 もしかしたら誰も俺の自己紹介なんて聞いてないのかもしれない。

 でも気にしない。熱狂してる奴らの気持ちはすげーわかるから。

 だって自分のクラスに絶世の美少女が編入してきたんだよ?

 そりゃあテンションだって上がるって。


「おい。黙れお前ら。――それじゃあ二人はそこと、そこの席に座ってくれ」


 先生の指示に従い、席に着く。

 その際、隣の席の女の子によろしくと挨拶をしてみたが、みんなアイルに夢中になってるせいで聞いていなかった。

 アイルに夢中になってたからだよな? そうに違いない。そう言うことにしておこう(自己完結)。

 その後、先生が話し終えると同時にHR終了のチャイムが鳴った。


「――これでHRを終了する。一限目は対人戦の実技だ。全員着替えて闘技場に集合だから遅れるなよ」


 そう言うと高城先生は教室を出ていった。


 まさかの編入初日にして初の授業が対人戦の実技とはな。

 面白そうだな。ワクワクする!

 俺は対人戦の経験が少ない(ほぼゼロ)が、まあ何とかなるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ