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2人のセレナーデ  作者: 素直
2. till the death do us part
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ep.4 眼差し

カノープスの過去についても書きたいですね。

子供が横町の影から見つめていた。



遊び道具は持っていなかった。何か子供の興味をひきそうな物も。

カノープスの襟のボタンが、午後の日の光をはね返した。

その返した、眩しい光を子供は目で追った。

7歳程だろうか?追う目には、僕がどんな存在なのか、敵という影はまだ定着していなかった。

もっとも、彼が興味を持っているのは、軍服の美しさと、高い革靴、そして通りが自然と空く、といったことだった。

不意に、母親だろうか、若い女性が後ろから肩を掴み、子の顔を壁の方へと向けた。向く前に一瞬、子供の口から小さな言葉が発せられた。兵士、ポーランド語でそう近いような言葉に聞こえて、その言葉に心が掻き乱されそうになった。

止まりかけた靴先を、意図して元に戻した。




微笑みはしなかった。軍服を着た僕が一体、大人たちに何をしているのか。どうして、大人たちが僕に従うのか。微笑んでしまったら、僕は優しく見えるだろうな。生憎、子供向けの顔を足したくはなかった。


目も合わせはしなかった。合わせてしまったら、その子供はあの将校を見た子だと認識されるだろう。まるで、ポラリスと同じように。


僕は将校で居続けなければならない。彼らは物じゃないとも、分かっているはずなのに。







夜、話には出さなかった。言うと、ポラリスは通りを歩きづらくなるだろうから。

軍服の襟を整えて、軍帽を正しい位置に戻すと、鏡の中の男は、あの子供に見られた男だった。



保つことが、僕の義務なのだ。僕は、ここに居る限り、あの男で居なければならない。












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