14. それは一度目をチャンスを見送る奨励会員の様な判断で
最近、月曜と水曜と金曜は羽生飛鳥と一緒に帰っている。
偶然にも、実に奇遇なことに、俺が手芸部が上がるのと同じ位の時間に将棋の勉強を終えているからだ。
ちなみに、彼女と昼食を共にするようになってから二ヶ月以上が経過した。
そんなわけで彼女とは段々と打ち解けてきた感じがする。
冬服も夏服に変わった。
そして相変わらず、脱衣将棋では勝てていない。
「でも、俺ばっかり下着をみられるのもアレだしそろそろ羽生さんの下着も見せて貰おうかな?」
「もう!そんなことしても誰も得しないでしょ」
「いや、俺は普通にみたいけど」
「ちょ?!」
赤面する羽生飛鳥。
ちょっとセクハラチックな気もするが、毎日顔を合わせているんだし、番外戦術としてこれくらいの軽口は許されるだろう。
今日は既に一敗しているが、この隙をついて次こそは勝たせてもらうぜ。
「ま、けました……」
「マジか……」
本当に勝っちゃったよ。
やっと勝てたって喜びもあるが、驚きの方が大きい。
彼女は顔を赤くしている。
番外戦術を仕掛けてから指し手の精度が落ちたから、腹を立てているのかもしれないな。
動揺した自分か仕掛け主である俺、もしくはその両方に対して。
「じゃあ……何と何を脱げばいいできゅ……いいですか」
恥ずかしさもあるのか、セリフを噛んでいる。
そして、これは覚悟を決めている顔だ。
自分が提案しといてなんだが、どうしよう。
一応、真剣勝負をやった結果なのでナシにする訳にも行かないが、流石にスカートとパンツを脱げとかは鬼畜すぎるしバレたら他の男子に殺されるかもしれない。
というか、上下共に女子の下着を露出させるのはマズイ気がする。
なら、靴下と……あとはブラウスにしとくか。下にはキャミソールとか着てるだろうし。
いや、キャミソールって下着なのか?
もしかしてあれはブラとかと同じ扱いなのか?
DTにはよくわからん。
そこで羽生飛鳥の顔を見てみると、赤面して顔を見て潤ませていた。
なんか、ブラウスを脱がすのは非常に不味い気がする。
「じゃあ……靴下と……靴下だ」
「へ?」
ポカンとした顔をされた。
「いや、指定した衣服を一枚ずつ脱ぐルールだからね。右足で一枚、左足で一枚だよ」
チキンの理屈だ。笑いたくば笑え。
何となく不満そうというか、不承不承という風に靴下を脱ぎ始める羽生飛鳥。
「深浦くんは紳士だね……。別の所を指定しても良かったのに」
情けをかけられたと思っているのだろうか?
律儀だな。
それはそれとして、脱ぐところはガン見させてもらった。
椅子に座ったまま脱ぐ際にのぞく太腿は艶かしい。
そして現れた素足。普段、クラスメイトが見る事は決してない部位だ。
足首のくびれが美しいな。
「そんなに見られると恥ずかしいよ」
「おっと失礼」
でも、俺も男子高校生だからね、仕方ないね。
正直、めちゃくちゃ興奮しました。




