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黒鳥奇譚  作者: ヤマトゥー
腐敗した翼
28/30

「呪いの眼~Curse Eye その3」

なななんと!わたくし、小説投稿初めて2周年!!

 腹を殴られ、膝をつき、手刀を振り翳されたこの状況でも、なぜかまだ勝利を確信している自分がいる。


「うるせぇ、どチビが」

 コレが地雷なんだろ?なら存分に挑発の材料にさせてもらう。

 案の定、あっ?と怒りに満ちた声で聞き返された。

 そして手刀が振り下ろされる。

 本当なら僕にはその情景を見ることはできない。


 だが可能だ。

 なぜならば、少し離れた所にはさっき慧が放り投げた烏がいる。

 僕の“烏を操る能力”には、『視覚の共有』が含まれている。

 3次元から観た、(ひざまず)く自分。キレてる慧。

 この視覚のおかげで慧の手刀を、ギリギリで前方に回転し、回避することができた。


 立ち上がり、自分との間に烏を挟んで、すぐ召喚を解除し、黒の羽根の壁を作り、後ろに大きく飛び退く。

 少し考える時間を作るためだ。

 一定以上の距離を保ちつつ、思考する。


 ヤツ()の武器がが“最高の動体視力”であるのならば、僕は“別次元からの視点”と言ったところか。

 お互い、違うベクトルに特化した眼を持っている。

 だがどちらのが1対1の殴り合いに有効的に働くかは、一目瞭然。

 圧倒的に相手に軍配が上がるだろう。


(考えろ…この眼を使って、ヤツの眼を上回る方法を………!)


 その時、何か違和感を思い出した。

 さっきからのヤツの攻撃、その際のクセのようなもの。

 

(…待てよ…、ヤツの最初の一歩はとてつもない速さで間合いを詰めてくる。

 それはつまり、より強く地面を蹴る必要がある。ということ。

 ならば必然的に、一瞬大きく脚に力を込める瞬間ができるはず…

 それをこの“烏からの視点”でキャッチすれば…)

 

 勝ち筋が見えたのならば、あとはそれを実行するのみ。

 今の僕と慧との間には2mもない。

 この距離では見えていても身体が反応できないかもしれない。

 もう少し遠くなければ。

 “赫”を召喚()し、地面のコンクリートに突撃させ、瓦礫を作り、それを慧の方に向けて蹴る。


 瓦礫を避けるために慧は足を止め、全てをはたき落とした。

 プラスして、瓦礫を蹴って生まれた反動力で、間は充分に離れた。

 

 “赫”・烏を解除する。烏が羽根だけを残し、幻のように消えていく。

 しかし、その烏が纏っていた赤いオーラだけが残り、やがて俺の身体に染み込んでいく。

 これでこの身体はスピードを失う代わりに、強力なパワーを手に入れた。

 

 なんかの武術の構えのように中腰で、両足は安定させる広さにして固定する。

 そして右手に全エネルギーを集中させる。

 こちらからは動かない。

 そうカウンターの構えだ。


 どうやら慧もそれに気づいたようだ

「ふ〜ん…今までの戦闘から何も学習できてないようだね」

 さっきの挑発の怒りがまだ残っているらしく、返答もかなり挑発めいたものになっている。

 いい。それでいい。怒りで僕の計画に気づかないように。

 だからもう一度、イヤ何度でも言ってやる。

「こいよ、チビ金髪」

「……やッッてやるよ!クゥソォガァキィー!!」


 左眼を烏からの視点と共有する。

(来るッ!)

 慧の左足に体重がかかり、あまりの力に地面に亀裂が入る。

 そのコンマ1秒にも満たないうちに、自分自身の視界から慧が残像となって近づいてくる。


(今、ここだ!)

 僕は渾身の力を込めて、右拳を振り上げる。

 その次の瞬間、右手には、気持ちいいほど綺麗に、鳩尾を殴る感触が流れた。

 


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