第47話・もふもふミニマと出会ったメルリアは尊厳死寸前になる※挿絵あり
メルリアたちはダナンの家に戻った。
ランチバスケットにはパンときゅうり、トマト、ゆで卵、それにマヨネーズ。
特に瓶入りマヨネーズは自慢の品だ。
「これはマヨネーズソースと言って、野菜やゆで卵にも合うんですよ」
照りのある薄黄色のマヨネーズをゆで卵につけて、ダナンとタンダに渡す。
ダナンはマヨネーズを観察している。
「少し酸味のあるソースなんだな」
その横でタンダはゆで卵を齧っている。
何度か咀嚼すると目が輝き始めた。
「これ、卵とすごく合います!」
タンダの反応を見たダナンも口に運ぶ。
ダナンも目を見開き頷いている。
「これはこれは⋯⋯なんとも食欲の掻き立てられる味ですね。これならあれにも合いそうな気がします」
メルリアとロアンは目を点にさせていると、タンダが「取ってくる」と言って、席を立った。
戻ってくると、手にはひと回り大きな卵。
「先程のは鶏卵ですよね。こちらは卯卵」
うらん?
聞いたことのない言葉にメルリアはロアンに助けを求める。
ロアンも同じ顔だった。
メルリアは観念する。
「ダナン、うらんって何かしら?」
「ほっほっ、お嬢様はミニマを見たことがないのですね」
「ミニマ?」
メルリアはロアンの方を見ると、メルリアと同じ顔をしていた。
「メルリア様、私、全っ然分かりません」
清々しいほどよい返事に、メルリアの肩が軽くなる。
椅子から降りるとダナンとタンダにミニマが見たいとお願いした。
タンダは器用に鍋に火をかける。
水を張った鍋にそっと卵を落とした。
そしてゆで卵が出来る時間を使って、ミニマを見に行く。
家を出ると先程までいた牛舎が見えた。
大きいので、しばらく牛舎の横を歩いていく。
すると牛舎よりかなり小ぶりの小屋が見えてきた。
牛舎の近くにあった。
「これがミニマ小屋です」
タンダが扉を開ける。
中は少し低い柵でいくつかの場所に分かれていた。柵の中には丸くなってくっついている小動物が見える。
1匹のミニマが顔を上げてこちらを見た。
柔らかい両耳の立っている動物はうさぎにしか見えなかった。
「あれはうさぎじゃないの?」
なぜかダナンとタンダの顔が緩む。
「お嬢様、うさぎはあんなに小さくありません。あれがミニマです」
丸いふわふわの塊に見えるけど、もぞもぞ動いていたり、隣のミニマに押されて両足で踏ん張るミニマが見える。
あっちの耳が立っているのは、うさぎのネザーランドドワーフ種に似ている。
今、おしくらまんじゅうで負けて塊から出てきたのは毛足の長いライオンドワーフ種に似ている。
色は白や灰色、茶褐色や黒。
丸まっている姿を見るだけで、心が浄化されるような気分だ。
「ミニマたちは身体に仲間が触れているのが好きなので、くっついていることが多いです」
丸い軍団がふわふわの毛をなびかせながら小刻みに動いている。
可愛い。
控えめに言っても可愛すぎる癒しの塊。
メルリアはミニマの可愛さにハートを撃ち抜かれそうになる。
そのうちの一匹のミニマがメルリアに駆け寄ってきた。
メルリアは無意識にしゃがんで、ミニマに手を差し伸べる。
ミニマは当たり前のようにメルリアの手に乗ってきた。
メルリアの手は小さいので腕の方まで乗っかっている。
悪びれもせずに腕に顔を擦り付けているミニマ。
「可愛い〜! よしよし、良い子だね」
大興奮するメルリア。
「尊いー! このまま尊厳死しそうです! メルリア様の愛らしさに動物界の癒しの権化が掛け合わさって心臓が持ちません!!」
メルリアの倍くらいロアンは騒いでいる。
丸くなっていたミニマがちょこちょことした小さな動きで移動していく。
干し草のベッドから出てきたミニマ。
乾燥した草の上には卵があった。
先程見た鶏卵よりひと回り大きい。
「本当にこの子たちは卵を産むのね」
メルリアは不思議そうに見つめている。
すると、ダナンが愉快そうに笑う。
「ほっほっ、鶏と同じですよ。今日はいい天気なので、ちょっとミニマを運動させましょう」
入り口から一番離れた壁には、もう一つの扉があった。
タンダは身軽に向かうと、金属が軋んで擦れる甲高い音が聞こえる。
すべて開き終わると、外にも柵があった。
それを見て、迷子になるミニマがいないことが分かり、メルリアは安堵する。
「お嬢様、小屋の中の柵を開けてくださりますか?」
全部の柵を開けるようだ。
メルリアはロアンと一緒に開けていく。
柵を開けても動かないミニマがいる。
「ダナン、動かないミニマがいるわ」
「行きたくないミニマは、そのままで大丈夫です」
メルリアは頷いて柵を開けていく。
するとミニマたちは顔を上げたり、動き始めたミニマの後ろをついていく。
全部開け終わると半分以上のミニマたちが動き始めた。
子ガモの大行進さながらミニマのもふもふ行進が始まった。
短い足をせっせと動かして前のミニマについていく。
その姿を見て横で旗を振りたいし応援もしたかった。
柵の端には丸くなって何匹か固まっているミニマもいたが、メルリアは後ろ髪を引かれる気持ちで外の柵に移動した。
真っ先に外に出てきたミニマは活発なのかぴょんぴょんと飛び跳ねていた。
いや、ぴょんぴょんなんて快活で身軽な動きではない。
ミニマは足をぐっと踏み込んで、上に跳ぶ。
すると愛らしい毛並みがふわっと動いて、着地するときはもふんと揺れているのだ。
メルリアはあまりの可愛さに触りたくて仕方がなくなった。
ちなみにロアンは可愛さに悶絶している。
メルリアは手をミニマに向けながら腰を屈めて追いかける。
外に出たばかりのミニマは動き回っているので触るのが難しい。
後ろから追いかけていたはずなのに気がついたら、ミニマにメルリアは、取り囲まれていた。
挿絵がどうしても上手くいきませんでした。
立て耳があるのに垂れ耳もある、キメラうさちゃんみたいになってしまいました。
本当は立て耳か垂れ耳のどちらかです。
卵を産むもふもふのうさぎはミニマです(ㆁωㆁ)
生成AIのチャッピーくん(Chat GPT)に作成してもらいました。
※イラストはイメージです!!
次回の二角的イチオシシーンは
一匹のミニマが前足を上げてちょいちょいと上下に動かしながらメルリアの足に触れる。
(⋯⋯えっおねだりしてるの!? ⋯⋯これは心の準備が出来ていないわ⋯)
それを見た他のミニマも同じようにメルリアの足をちょいちょいと触る。
ミニマの大おねだり会が始まる。
可愛すぎて心臓が持たない。




