第44話 未来の自分と、“つなぎ手の行き着く先”
総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。
未来の恒一は、
柔らかな光をまとっていた。
過去の影のような痛みも、
現在の影のような鋭さもない。
ただ静かに、
“これからの可能性”だけを宿して立っていた。
リオが息を呑む。
「……本当に恒一さんに似てる……
でも、どこか違う……」
エイルは震える声で言った。
「これは……
“選ばれようとしている未来の恒一”……
つまり……
恒一さんがこの先、
どんな自分になるかの“候補”……!」
影は腕を組み、
未来の恒一を睨む。
「未来の俺……じゃなくて、
未来の恒一……か。
どんな奴なんだ?」
ナギは静かに微笑む。
「優しい光を持ってる……
でもその奥に、
強い覚悟が見える。」
残響は目を細めた。
「つなぎ手が未来を選ぶとき、
“未来の自分”が姿を現す……
これは、物語の主が仕掛けた最後の試練だ。」
◆未来の恒一の言葉
未来の恒一は、
ゆっくりと口を開いた。
「……初めまして。
“今の俺”。」
恒一は息を呑む。
声は同じ。
だが響きが違う。
重さも、温度も、
どこか“未来”の匂いをまとっていた。
「俺は……
おまえが選ぶ未来のひとつだ。
おまえが“進みたい”と願ったその先にいる。」
恒一は問いかけた。
「……お前は、
どんな未来を歩んだんだ?」
未来の恒一は微笑む。
「影と共に歩き、
リオと笑い、
エイルと語り、
ナギと向き合い、
残響と進んだ未来だ。」
影が目を見開く。
「……それって……
俺たちが望んでる未来じゃねえか。」
未来の恒一は首を振った。
「違う。
これは“ひとつの未来”にすぎない。
おまえが選ばなければ、
俺は存在しない。」
◆未来を選ぶということ
未来の恒一は、
未来の書に手を触れた。
ページが揺れ、
無数の道が光を放つ。
「未来は無限にある。
だが“選ばれた未来”だけが物語になる。
おまえが選ばなければ、
どれもただの可能性で終わる。」
恒一は拳を握りしめた。
「……俺は……
どの未来を選べばいい?」
未来の恒一は静かに言った。
「それを決めるのは、
“今の俺”だ。
未来は与えられるものじゃない。
選ぶものだ。」
その言葉は、
過去でも未来でもなく、
“今”の恒一の胸に深く刺さった。
◆未来の恒一の試練
未来の恒一は一歩前に出た。
「つなぎ手。
おまえが未来を選ぶなら――
俺を越えろ。」
リオが驚く。
「越える……って……
戦うってことか!?」
未来の恒一は首を振る。
「戦いではない。
“選択”だ。
おまえが望む未来を、
俺より強く願えるかどうか。」
ナギは息を呑む。
「……未来の恒一は……
“選ばれたい未来”そのもの……
だから恒一が迷えば、
この未来は消える……!」
影が叫ぶ。
「恒一!
お前の未来は……
お前が決めろ!!」
恒一は深く息を吸い、
未来の自分を見つめた。
「……俺は――
俺の未来を選ぶ。」
未来の恒一は微笑んだ。
「ならば――
見せてみろ。
“おまえの未来”を。」
光が弾け、
未来の書が大きく開かれた。
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