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第29話 世界の書き換えと、“つなぎ手”の存在証明

総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。

白紙の世界が砕け散ったあと、

 恒一たちは“無”の中に立っていた。


線も色も戻らず、

 ただ、砕けた白紙の破片が宙に漂っている。


その破片の中心で――

 “物語を壊す者”が黒い筆を形作っていた。


筆は、世界そのものを書き換えるための道具。

 物語の主が言っていた“最悪の力”。


物語を壊す者は筆を掲げ、

 静かに宣言した。


――次は、世界そのものを書き換える。


リオが叫ぶ。


「やめろ!!

 世界を壊すなんて……そんなの絶対に許さない!!」


だが声は虚無に吸い込まれ、

 響きすら残らない。


エイルが震える声で言った。


「……ここでは……

 “言葉”も“意志”も……

 世界に届きません……」


残響が歯を食いしばる。


「物語の外側……

 ここは“存在の定義”が揺らぐ場所だ。

 俺たちの力は……ほとんど通らない……」


恒一は影を見た。


影は、白紙の破片の中で膝をついていた。

 先ほどまでの敵意は消え、

 ただ苦しげに胸を押さえている。


「……影……」


影は顔を上げた。

 その瞳には、深い絶望が宿っていた。


「恒一……

 俺は……もう“影”じゃない……

 物語を壊す者に……“存在理由”を奪われた……」


「存在理由……?」


「影は“終わり”だ。

 でもお前は終わらないと決めた。

 だから俺は……

 “終わり”でいられなくなった……」


影は震えながら言った。


「だから……

 俺は“壊す者の影”にされた……

 お前を壊すための影に……」


恒一は影の肩に手を置いた。


「……お前は壊すために生まれたんじゃない。

 俺の“終わり”を抱えていた影だ。

 それが、お前の存在理由だ。」


影は目を見開いた。


「……俺の……存在理由……?」


◆物語を壊す者の介入

その瞬間、

 物語を壊す者が黒い筆を振るった。


――存在理由は不要。

 ――物語は不要。

――世界は“無”へ帰すべき。


黒い筆が空間を裂き、

 白紙の破片が吸い込まれていく。


リオが叫ぶ。


「世界が……消えていく……!!」


エイルが恒一の腕を掴む。


「恒一さん……!

 このままでは……

 あなたの物語も……世界も……!」


残響が前に出る。


「恒一!!

 “つなぎ手”の力を使え!!

 お前は物語をつなぐ者だ!!

 世界が消えるなら――

 つなぎ直せ!!」


恒一は拳を握りしめた。


「……つなぎ直す……?」


残響は頷く。


「そうだ。

 物語を壊す者が“消す”なら、

 お前は“つなぐ”。

 それがつなぎ手の本質だ。」


◆つなぎ手の覚醒

恒一の胸の光が、

 これまでにないほど強く輝いた。


エイルが息を呑む。


「……これは……

 “つなぎ手の本質”……!」


リオが叫ぶ。


「恒一さん!!

 俺たちの物語も……

 あなたと繋がってる!!

 だから――

 消えない!!」


影が震えながら立ち上がる。


「恒一……

 俺も……

 お前の物語の一部だ……

 だから……

 俺も……消えたくない……!」


恒一は影の手を掴んだ。


「じゃあ一緒に行こう。

 お前も、俺の物語の一部だ。

 壊させない。

 消させない。

 俺たちの物語は――

 俺たちがつなぐ。」


その瞬間、

 恒一の胸の光が爆ぜた。


光は白紙の世界全体に広がり、

 黒い筆の線を押し返す。


物語を壊す者が初めて声を荒げた。


――つなぎ手……!

――存在を……押し返すな……!


「押し返すさ。

 俺は“終わりを抱えて進む”って決めたんだ。

 だから――

 お前の“無”には負けない!!」


◆世界の再構築

光が白紙の世界に線を描き始めた。


線は色を持ち、

 色は形を持ち、

 形は世界を作り始める。


リオが驚きの声を上げる。


「これ……

 恒一さんが……世界を描いてる……!」


エイルが涙を浮かべる。


「いえ……違います……

 “世界が恒一さんに応えている”のです……!」


残響が微笑む。


「つなぎ手は、物語をつなぐ者。

 世界が壊れるなら――

 つなぎ直す。

 それが“第四の終わり”の力だ。」


物語を壊す者は後退し、

 黒い筆を握りしめた。


――つなぎ手……

――おまえは……危険だ……

「危険でいい。

 俺は――

 物語を壊させない。」

面白かったらブックマークと高評価お願いします。また、noteにて紹介動画等を投稿中ですので、ぜひご覧ください。

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