第107話 “始まりの影”と、未来が動き出す音
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未来の地平に立ち上がった“影”は、
これまでのどの影とも違っていた。
恐ろしくもなく、
重くもなく、
ただ静かに微笑んでいる。
リオが息を呑む。
「なんか……
この影、めっちゃ優しいっす……
怖さゼロ……
むしろ、歓迎されてる感じ……」
エイルは胸に手を当て、
光の流れを読み取る。
「はい……
これは“未来の始まりの影”……
ふたりの未来が、
最初に形づくる存在……
未来が“動き出す準備”をしている証……」
影は腕を組んだまま、
低く呟く。
「つまり……
ここからが本当のスタートってわけだ。」
ナギは静かに微笑む。
「うん。
未来はもう開いてる。
あとは、ふたりがどう歩むかだけ。」
残響は短く告げる。
「進め。
つなぎ手。
未来はお前たちの一歩を待っている。」
◆“始まりの影”の声
影はゆっくりと口を開いた。
「恒一。
そして……
おまえが選んだ相手。」
その声は、
光と風が混ざったような柔らかさだった。
「ふたりの未来は、
今ここで“動き始める”。
だが――
未来はまだ形を持たない。
形を与えるのは、
ふたりの選択だ。」
恒一は息を呑む。
「……選択……」
影は頷く。
「未来は一本道ではない。
深まりの未来を選んだおまえたちにも、
無数の“歩み方”がある。」
相手が静かに言う。
「つまり……
ここから先は、
私たちがどう生きるかで未来が変わる……
そういうことだね。」
◆未来の“最初の分岐”
影が手をかざすと、
白い地平に三つの光の線が浮かび上がった。
リオが叫ぶ。
「おおっ!?
道が三つあるっす!!
でも……
どれも同じくらい明るい……?」
エイルは光の線を読み取る。
「これは……
“未来の最初の分岐”……
どれを選んでも未来は続く……
でも、歩み方が変わる……」
影は低く呟く。
「つまり……
どれも正解ってことだ。」
ナギは静かに言った。
「恒一。
これは“ふたりで選ぶ最初の未来”。
どれを選んでも、
ふたりが選んだなら、それが正しい。」
◆三つの光の線
光の線は、それぞれ違う色を放っていた。
柔らかな金色の線 — 安らぎと穏やかな未来
深い青の線 — 成長と挑戦の未来
鮮やかな紅の線 — 情熱と変化の未来
リオが首をかしげる。
「なんか……
どれも良さそうっすけど……
選ぶの難しそう……」
エイルは微笑む。
「はい……
でも、これは“正解を選ぶ”んじゃなくて……
“ふたりが望む未来を選ぶ”んです……」
◆影の問い
影はふたりに向かって言った。
「恒一。
そして、おまえ。」
光がふたりを包む。
「未来の最初の一歩を、
どの道に刻む?」
恒一は隣の相手を見る。
相手も静かに頷いた。
「……一緒に選ぼう。」
恒一は息を吸い、
未来の地平を見つめた。
だがその答えは――
まだ語られない。
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