第106話 “未来の地平”と、ふたりが見る同じ光
総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。
光の門をくぐった瞬間、
恒一と“相手”の足元に広がったのは、
これまでのどの未来とも違う景色だった。
そこは道ではなく、
光でも影でもなく、
ただ“可能性そのもの”が揺らめく白い空間。
リオが目を丸くする。
「うわぁ……
なんすかここ……
なんもないのに、なんかある……
意味わかんないっすけど、すげぇ……!」
エイルは胸に手を当て、
震える声で言う。
「ここは……
“未来の地平”……
ふたりの未来が、
これから形を持つ場所……
まだ何も決まっていない……
でも、すべてが始まる場所……」
影は腕を組んだまま、
低く呟く。
「つまり……
ここが“未来の完成”の前段階ってわけだ。」
ナギは静かに微笑む。
「うん。
未来はもう開いてる。
あとは、ふたりがどう歩むかだけ。」
残響は短く告げる。
「進め。
つなぎ手。
ここから先は、お前たちの選択で形づくられる。」
◆ふたりの“視点”が重なる
恒一は隣に立つ“相手”を見る。
影ではない。
未来の姿でもない。
ただ、そこに“ひとりの人”として立っている。
相手は静かに言った。
「恒一……
ここが、私たちの未来の始まりなんだね。」
恒一は頷く。
「そうだ。
ここから先は……
ふたりで決める未来だ。」
相手は少しだけ笑った。
「うん。
でも……
ひとつだけ、言っておきたいことがある。」
恒一は息を呑む。
「……なんだ?」
◆相手の“本当の願い”
相手は光の地平を見つめながら言った。
「私は……
未来を恐れていた。
つながりを深めることも、
選ばれることも、
選ぶことも……
全部、怖かった。」
恒一は静かに聞く。
「でも……
恒一が“私の未来も受け止めたい”って言ってくれた時……
私は初めて、
未来を“誰かと一緒に見たい”と思った。」
光が相手の胸から溢れる。
「だから私は……
恒一と未来を歩きたい。
迷っても、
不安でも、
それでも一緒に進みたい。」
恒一の胸が熱くなる。
「……ありがとう。
俺も……
お前と未来を作りたい。」
◆未来が“形”を持ち始める
その瞬間、
白い空間に微かな色が差し始めた。
リオが叫ぶ。
「おおっ!?
なんか……
景色が出てきてるっす!!」
エイルは涙をこぼす。
「これは……
ふたりの未来が“形”を持ち始めている……
ふたりの想いが揃ったから……!」
影は目を細める。
「未来が動き出したな。」
ナギは静かに言った。
「恒一。
ここから先は、
“ふたりで選ぶ未来”が広がっていく。」
残響は告げる。
「進め。
つなぎ手。
未来はお前たちの歩みを待っている。」
◆未来の地平に現れる“最初の影”(つづく)
色づき始めた未来の地平に、
ゆっくりと“影”が立ち上がった。
だがその影は、
これまでの影とはまったく違う。
リオが息を呑む。
「えっ……
なんか……
影なのに、笑ってる……?」
エイルは震える声で言う。
「これは……
“未来の始まりの影”……
ふたりの未来が、
最初に形づくる存在……!」
影は低く呟く。
「いよいよだな。」
ナギは静かに言った。
「恒一。
これは“ふたりの未来の第一歩”。」
その影の正体は――
まだ語られない。
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