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残り火  作者: 一色 サラ


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2/3

2話

8月の夏の終わりに、正人に別れる花火大会だった。花火が夜空に打ち上がる度に、終わりのカウントダウンも始まる。花火大会の日まで交際をしてほしいと正人との約束だった。正人は去年の12月に行われたネットの掲示板での飲み会に来ていた人だった。正人と私は同年で、20代が4人と30代と2人で飲み会となった。帰り際に、そこにいた6人でメッセージアプリのLONだけ交換した。まあ付き合い程度なので、連絡は来ないものだと思っていた。飲み会も別に合コン的なものではなく、ただ日頃の付き合いのない人と出会いたくて、まあ同性の友人を探す目的で参加しただけだった。まあ、そこに居た女性がもう2人いたが、その人たちと連絡することはなかった。何度か連絡が来て、食事も2、3回くらい行った。ただタイプでもなかった。そして2月に「夏の花火大会まで、僕と付き合ってほしい」と言れた。まあ、食事も全て払えてもらえていたので、都合のいい相手として付き合っていた。


隣から「何で今日は浴衣を着てないの?」と聞かれて、少し身構えるように横を見た。近いな気持ち悪いというのが残った。「着ないけど」と少し不機嫌な気分で言った。好きでもないのだから、相手のためにおしゃれなど装うわけがない。デニムにTシャツでキャップの帽子にスニーカーというカジュアルな格好でいた。冷たくあしらっているのにニコニコしている。

「じゃあ、次は楽しみにしてるね」

 その不快な笑顔に気味の悪さを感じた。意味が分からなかった。

「えっ?今日で最後でしょう?」

「嫌だよ。別れないよ」

 肩を寄せられた。寒気と悪寒が全身を感じた。

「離して」 

 突き放して、駅の方へと走った。


食堂からホテルの近くに建てられている寮に戻った。正人が本当に犯人なのだろうか。あの3ヵ月前の花火大会のことが鮮明に蘇ってくる。突き放って、人混みをかき分けながら進んでいた。そこに花火の打ち上げる音だけが耳に聞こえてくる。追いかけてくる様子はなさそうだった。

駅に着いて、スマホを見ると10件ほど着信があった。無視をして、その1件に留守番が録音されていた。「なんで、僕の言うことが聞けないんだ」その意味がどうしても今も分からない。聞くわけないだろうと思っていた。気味が悪いので着信拒否の設定に切り替えた。そして翌日、病院から自傷行為で入院の連絡が来た。正人には私が住むマンションの住所を教えることはなかったので、来ることはできないを思った。いつも、正人の車で送ってもらっていたのは、最寄りの駅より4駅ほど手前だった。1駅は危険だと思っていた。性交渉も1度もしていない。期限付きだし、好きでもない相手だった。

寮にあるテレビを付けた。続報があるのではないのかと、ニュースがある番組を探す。

お昼のワイドショーでニュースが取り上げられてたい。

「SNSで知り合って、トラブルになり、殺害に至ったと供述している」 

「男女の交際のもつれですかね」

「女子高生も安易に、出向いていけないですね」

事件に至った概要などをアナウンサーが言いながら、そこにいるコメンテーターが適当にコメントをしているのが流れていく。

トラブルって、何なのだろうか。

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